
- Copa do Brasil 2014コパ・ド・ブラジウ 2014

アレシャンドレ・パトにPKを譲ったホジェーリオ・セニの思いやり
サンパウロの守護神ホジェーリオ・セニがアレシャンドレ・パトにPKを譲った経緯を説明

▲ ボールを持ったホジェーリオ・セニ(左)に近寄ってPKを蹴らせてくれるように頼むアレシャンドレ・パト(11番)
話題の場面は「ブラガンチーノvsサンパウロ」戦の後半29分。相手のファウルによってPKを得たサンパウロは、守護神ホジェーリオ・セニが相手側のペナルティエリアへと駆け寄ってきた。キーパーながら右足で精度の高いボールを蹴られるホジェーリオ・セニは、長年サンパウロのフリーキックやPKのキッカーを務めてきた。サンパウロでは守護神セニがPKを蹴るのが慣例となっている。
ところが、ボールを持ったホジェーリオ・セニのもとにアレシャンドレ・パトが近づいて何やら言葉を交わすと、ホジェーリオ・セニはパトにボールを渡して自陣に戻っていった。ボールを譲り受けたパトは、このPKを決めてチームに勝利をもたらした。
試合後このことについて質問が及ぶと、ホジェーリオ・セニはPKをパトに譲った理由を次のように明かした。
「パトが『俺に蹴らせてほしい』と頼み込んできたんだ。表情が自信に満ちていてやる気を感じたから、彼の気持ちを感じてPKを譲った。私は自分の記録を伸ばすことにはそこまで固執していない。それよりも最近ゴールを決めてなくて悩んでいるパトがゴールを決めるほうが、チームにとってはプラスになると思ったんだ」
今年限りでの引退を表明しているホジェーリオ・セニはキーパーの世界最多ゴール記録を保持しているが、自身の記録更新よりも調子が上がらず苦しんでいるアレシャンドレ・パトに浮上のきっかけを与えることを優先したとのこと。24年間サンパウロ一筋の守護神による、チームメイトへの思いやりが垣間見える一幕であった。
2014.07.31
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