- FIFA World Cup 2018FIFAワールドカップ 2018 ロシア大会 南米予選
“ネイマールデペンデンシア” 監督交代が導いた南米予選におけるネイマールの差異を検証
ドゥンガ体制の頃とチッチ現体制におけるネイマールの南米予選成績について
▲ 監督の交代によってネイマールのパフォーマンスも大幅に向上した
2018年のロシアW杯出場権を賭けて行われている南米予選でブラジル代表は首位に立っているが、同予選が始まった頃は結果が振るわず苦戦を強いられていた。第6節を終えての戦績は2勝3分1敗。そして先のコパ・アメリカでのグループリーグ敗退を受けて、ドゥンガ監督は解任。その後任として、コリンチャンスの監督として好成績を残してきたチッチ氏がブラジル代表を率いることとなった。
チッチ体制になってからのブラジル代表は5戦を終えて5連勝と絶好調。チームが明らかに変わった印象だが、それに倣うようにしてネイマールの成績も大きく改善されていることがわかった。
ドゥンガ監督時代のネイマールは、3試合に出場してノーゴール1アシスト。3試合の出場停止処分もあって目立って成績を残せていなかった。ところが監督がチッチに代わると、ネイマールは目が覚めたかのように輝きを放ち、5試合に出場して4ゴール5アシストの大活躍。一部の現地メディアがかつて「ネイマールはドゥンガとの関係があまり良くなかった」と報じていたように、当時のネイマールは鬱積したものを抱えて萎縮していたのかもしれない。
ネイマールが良くなった背景には、チッチ監督の狙いが大きく関係している。同監督には「多くの責任をネイマールに押しつけることで彼の良さが失われては元も子もない。伸び伸びとプレイさせることが最良」との考えがある。ネイマールがキャプテンを退く意向を汲み取っての対応とも思われるが、いずれにせよセレソンとネイマールの両方にとって、監督交代がプラスに作用したといえるだろう。
ブラジルではしばしば、セレソンについて「Neymardependência(ネイマールデペンデンシア)」と表現される。これは Neymar(ネイマール)と Inpendência(インデペンデンシア) をかけた造語で、要約すると「ネイマール頼み」となる。仮にこの造語が真実ならば、ネイマールの良さをいかに引き出せるかが代表監督に問われる資質となる。それだけに、ネイマールを起用し続けて同選手の良さを引き出しているチッチ監督は評価されて当然となろう。
今大会の南米予選におけるネイマールの各試合成績については、下記の通り。
▼ 2018ロシア大会のW杯南米予選におけるネイマールの各試合成績
節 | 対戦相手 | スコア | ゴール | アシスト | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1節 | チリ | 0-2 | 出場停止 | ドゥンガ | |
第2節 | ベネズエラ | 3-1 | |||
第3節 | アルゼンチン | 1-1 | 0 | 0 | |
第4節 | ペルー | 3-0 | 0 | 0 | |
第5節 | ウルグアイ | 2-2 | 0 | 1 | |
第6節 | パラグアイ | 2-2 | 出場停止 | ||
第7節 | エクアドル | 3-0 | 1 | 1 | チッチ |
第8節 | コロンビア | 2-1 | 1 | 1 | |
第9節 | ボリビア | 5-0 | 1 | 2 | |
第10節 | ベネズエラ | 2-0 | 出場停止 | ||
第11節 | アルゼンチン | 3-0 | 1 | 1 |
2016.11.11
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