- Superliga Argentina 2018-2019スーペルリーガ・アルヘンティーナ 2018-2019
ベロン会長の経営理念 「プロになれるのはほんの一握り。だから勉学との両立が重要」
エストゥディアンテスのファン・セバスティアン・ベロン会長が考えるフットボールクラブ経営の理念
▲ エストゥディアンテスの下部組織には300人ほどの少年を抱えていて、食事や勉学までトータルサポートしている
ベロン会長は、現役時代からエストゥディアンテスのために経営資金の寄付をするなどの社会貢献を積極的に行っていた。同会長にとってフットボールクラブを経営することは、単にチームを強くしてサポーターに喜んでもらうだけではないと話す。
「サッカーは元々プロになって自分が稼ぎ、人生を豊かにするための手段ではあったが、いつしか社会的責任と困っている人々への貢献を強く意識するようになった。今ではサッカーは社会貢献だ」
「私はしばらくの間エストゥディアンテスの会長として活動していて、そこからサッカーが与える様々な影響や可能性を発見するようになった。エストゥディアンテスには多くの子どもたちがプロサッカー選手を目指して日々練習に励んでいるが、クラブに通っている子どもたちの大多数は、残念ながら選手にはなれない。プロになれるのはほんの一握りだ。ゆえに私は、エストゥディアンテスでサッカーを練習した子がプロになれなかった場合の対策もすでに実戦しているし、その責任が私にはあると考えている」
「我がクラブでは、練習している約300人の児童のために、サッカーと勉学の両立が可能な時間割を設定・実行している。午前中のうちに昼食を済ませて、昼食の後には勉強する教育プログラムを導入しているんだ。70〜80%ほどの子はサッカーでメシを食えないから、そのとき学力を備えていなかったら先の人生に苦労してしまう。栄養管理に優れた食事も含めて、我々が他に誇れる実績と成果だと思っている」
話はやがてベロン会長自身にも及んだ。同会長は引き続き気さくに応じた。
「(サッカー選手になっていなかったら、どんな人間になっていたかを)想像するのは難しい。私が高校を卒業したときは、プロ選手になれるか決まっていなかったが、選手になることに賭けた。幸い、すぐに下部組織からトップチームに上がれて今がある」
「現役時代に歩んだ道は信じられないほどの迷路だった。ラ・プラタで生まれ、エストゥディアンテスに育ててもらい、その後は欧州へ渡り…。最も印象的なのは2009年のコパ・リベルタドーレス優勝だった。様々な経験をさせてもらって、迷路を歩き続けた私はやっと街にたどり着けたのだろう。そんな感覚だね」
最後にベロン会長は、パナマに来ている理由についても説明した。
「私がエストゥディアンテスや複数の財団で経験したことを(少しばかり)話すためにここへ来た。フットボールクラブの活動内容や社会貢献などについても、私からお伝えしてそれが聞き手の皆様に伝わればと考えている」
◆ ファン・セバスティアン・ベロン
- 生年月日:
- 1975年3月9日生まれ(44歳)
- 出身:
- アルゼンチン(ラ・プラタ)
- 身長:
- 186cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
かつては自転車泥棒などを繰り返す不良少年であったが、改心してサッカーの道へ。地元の名門エストゥディアンテスの下部組織出身で、1994年に19歳でトップチームに昇格し、翌1995年から結果を出していった。1996年にボカ・ジュニオルスへ移籍すると、当時チームメイトだったマラドーナ、カニーヒア、キリ・ゴンサーレスらとともに活躍して、アルゼンチン代表にも招集されるようになった。同年にサンプドリア(イタリア)へ移籍すると、以降パルマ、ラツィオ(いずれもイタリア)とステップアップしてチームの中盤を支えた。2001年にマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)へ移籍したが、その後移籍したチェルシーを含めてイングランドでは思うような結果を残せず、2004年にレンタル移籍したインテル(イタリア)でのほうが活躍できた。2006年に期限付きで古巣エストゥディアンテスに復帰したのが契機となり、翌2007年にはエストゥディアンテスへ完全移籍。以降は母国で選手生活を送り、2012年4月に一度現役を引退したが、その後現役復帰を果たし、2014年5月に二度目の現役引退を表明した。元アルゼンチン代表で、現在はエストゥディアンテスの会長。愛称は「ラ・ブルヒータ(スペイン語で「小さな魔法使い」)」
2019.05.25
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