- Liga Pro Banco Pichincha 2020エクアドル1部リーグ 2020
エクアドルでは医療だけでなく行政などインフラも崩壊 路上に遺体が放置される由々しき事態
元エクアドル代表DFワルテル・アジョビー氏がメキシコのメディアに向けて語った母国エクアドルの惨状
▲ エクアドルの街中では遺体にブルーシートが掛けられたまま路上に放置されているような状況
ニュースではスペイン、イタリアなどラテン系のヨーロッパで深刻な事態に陥っている情報が目立つが、エクアドルも負けず劣らずの異常事態になっている。国の緊急事態宣言を受けて、行政などのインフラが崩壊している影響で、COVID-19により亡くなった人の遺体を処理しきれなくなっているという。街には、遺体が路上に放置されているケースも珍しくなく、何者かがブルーシートをかぶせて暫定的に遺体を隠しているような状態だ。
「我が国エクアドルでは、おそらくイタリアやスペインよりもさらにひどい。昨今の異常事態がすぐに改善されるといいのだが、今のところ見通しが立っていないんだ」
アジョビー氏は現在メキシコのモンテレイで家族と暮らしているが、同氏の妹は医師として今もエクアドル国内で働いている。同氏は、医師の妹から母国の惨状を日々聞かされているという。
「私には医者の妹がいて、満身創痍の中日々尽力している。残念なことにマスクの習慣がないエクアドルでは、いまだにマスクをしている人が少ない。そしてこの影響で経済的な打撃を受けている国民も多く、国はかつてない困難に直面している。経済の疲弊は、人々を確実に弱らせ、死に至らしめているんだ」
▲ 国の緊急事態宣言を受けて外出する人が消えているエクアドルのとある住宅街
アジョビー氏は、母国エクアドルで感染が広がっている原因として、国の衛生面を挙げている。エクアドルではCOVID-19の検査体制が充実しておらず、病院でもベッドや人工呼吸器などの設備が弱いため、患者を特定して隔離し、感染の連鎖を止めにくい環境にあるという。
グアヤキル病院の呼吸器内科医であるミレーヤ・ロダス医師は「イタリアで生じている感染状況と非常によく似ている」と警鐘を鳴らしている。
エメレックやバルセロナSCなどエクアドルでも強いクラブチームがある港町グアヤキルでは今週、衝撃的な写真・映像が上がった。COVID-19により亡くなったとされる遺体が路上に遺棄されていて、そこにはブルーシートでかろうじて遺体を隠しているだけのまま放置されているのである。遺体を正常に処理したくても、インフラが崩壊していて人手が足りていないことが主因だが、感染者の遺体処理を葬儀場も敬遠している事実も深刻。葬儀場の従業員が遺体から感染する恐れもあることを理由に、業務停止を余儀なくされているのだという。
感染拡大を抑えきれていないエクアドルでは、今後さらに死者が増える恐れもある。とてもじゃないが、この惨状では国内リーグを再開できる状況にはない。
◆ ワルテル・アジョビー
- 本名:
- ワルテル・オルランド・アジョビー・コローソ
- 生年月日:
- 1979年8月11日生まれ(40歳)
- 出身:
- エクアドル(カマロネス)
- 身長:
- 171cm
- ポジション:
- 左サイドバック、左サイドハーフ (現役時代)
2000年にロカフエンテの下部組織からエメレックの下部組織に移籍して、すぐトップチームに昇格してレギュラーに定着。2003年には宿敵のバルセロナSCに移籍してさらに飛躍した。2004年にレンタル移籍で中東に渡ったが、2006年からは母国のエル・ナシオナルでプレイ。2009年に移籍したモンテレイ(メキシコ)では約5年半の間に174試合に出場して13ゴールを挙げるなど、キャリアのピークを迎えた。パチューカ、シナロアなどメキシコでの選手生活は2017年まで続き、2018年に母国のグアヤキル・シティで引退した。左サイドバックを本職としながらも10番を着ける機会が多かった珍しいタイプの選手。元エクアドル代表。
2020.04.03
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