- CONMEBOL Libertadores 2021コンメボル・リベルタドーレス 2021
スタジアム外で催涙ガス爆弾が何度も爆発 深刻な状況でコパ・アメリカは本当に開催できるのか?
「アメリカ・デ・カリ vs アトレチコ・ミネイロ」の試合中に断続した催涙ガス被害の詳報
▲ 試合中に何度も催涙ガスが充満し、アトレチコ・ミネイロのGKエベルソンは呼吸器をユニフォームで覆い隠す
舞台は、バランキージャのエスタディオ・ロメリオ・マルティネス。13日に行われた「アメリカ・デ・カリ vs アトレチコ・ミネイロ」は元々ブカラマンガで開催予定だったが、ブカラマンガでの暴動が激化したことを理由にバランキージャに変更された。しかし、CONMEBOL(南米サッカー連盟)が執ったこの措置は、問題の回避にはならなかった。
◇ ◇ 何度も中断した試合 ◇ ◇
まず、11分に催涙ガスがスタジアムに充満して、両チームの選手はガスの影響を軽減すべく水分補給の休憩をとった。ここで試合は2分間中断された。
だが、27分には再び試合が中断する。スタジアムに再び催涙ガスが充満し、選手はユニフォームで顔を覆うもガスの被害を防げず、ここでも2分間の中断を余儀なくされた。
前半の中断は、まだまだ起こる。38分、三度催涙ガスが充満すると、選手全員が一旦ロッカールームへ戻ることを要求。主審は選手らの要求を認め、ここでの中断は約8分間に及んだ。さらに前半のアディショナルタイムが10分を過ぎたあたりで、再び選手がガスの充満による不満を訴え、4〜5分ほどの中断からそのままハーフタイムに移らざるをえなかった。
ハーフタイム中には、後半を実施すべきか主催側と審判団とで協議されたそうだが、最終的には実施。しかし、後半の立ち上がりの48分には、またも催涙ガスが充満して1分ほど中断した。
66分には、また催涙ガスが充満し、水分補給のため約2分間の中断。72分には中断こそなかったが、アトレチコ・ミネイロの複数の選手がガスによる目の痛みを訴えて、中断を求めた。キックオフの前から試合終了後に至るまで、スタジアム周辺では何度も爆弾の爆発音が轟いていた。爆弾の種類は、催涙ガス爆弾。市民による暴動は、警察の公務だけでなくリベルタドーレスの公式戦までも妨害したのだ。
◇ ◇ アトレチコ・ミネイロ陣営のコメント ◇ ◇
▲ 催涙ガス被害をとりわけ強く訴えたグーガ(右)
「私がピッチで経験した出来事では最悪。目、のど、鼻とすべての呼吸器が焼けるような痛みに襲われて、何度もピッチを離れなければならなかった。とくに前半は試合にならないほどだった」
チームを率いるクッカ監督は、母国ブラジルのメディアに状況を説明しつつも、困難な試合を最後まで進行させたウルグアイ人主審アンドレス・クーニャ氏の仕事を評価した。
「爆弾の爆発音を聞いて、ガスが充満するのは時間の問題だと思った。爆発したのが風上だったから、スタジアムにガスが流れてくるだろうとわかっていたからだ。いざガスが充満すると、とても苦しかった。選手にとっては耐えがたかったに違いない」
「だがこのような難しい状況において、何度も中断しながらも最後まで試合を進めた主審の仕事っぷりは見事だった」
▲ コロンビアのカリで暴徒化した市民が投げつけた火炎瓶が、景観の防護服に引火
コロンビアでは、国民による政府への怒りが数週間に及んでいる。連邦政府が提案した税制改革への反対運動が事の発端で、街頭での抗議はやがて暴動へと発展。暴徒の中には、警官隊めがけて火炎瓶を投げつける犯罪行為に及ぶ者もいたりと、収束が見えない状況が続いている。
現地で12日に行われた「アトレティコ・ジュニオール vs リーベル・プレート」でも暴動の影響で試合が一時中断しており、コロンビアではサッカーの公式戦すらまともにできない由々しき事態にある。
6月にはアルゼンチンとの共催でコパ・アメリカが開催される予定。だが、CONMEBOLは開催国を急遽コロンビアからパラグアイに変更する協議も進めていると報じられていて、依然として予断を許さぬ状況だ。
2021.05.13
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