
- CONMEBOL Libertadores 2018コンメボル・リベルタドーレス 2018

リーベル時代の負の遺産がもたらした悪夢 試合当日の9時間前に前節の結果が覆る事態に
CONMEBOL(南米サッカー連盟)が決勝トーナメント1回戦 1st.Leg 「インデペンディエンテ vs サントス」の結果を 0-0 から 3-0 に変更する処分を決定

▲ 2015年11月26日に行われたウラカンとの準決勝 2nd.Leg でウルグアイ代表MFカルロス・サンチェスにレッドカードが出された場面
事の発端は、21日に行われた「インデペンディエンテ vs サントス」でのこと。今年の7月に加入したばかりのウルグアイ代表MFカルロス・サンチェスは、この試合にスタメンで出場して、コスタリカ代表MFブライアン・ルイスと交代する79分までピッチに立っていた。
すると前述の試合終了後に、インデペンディエンテ側から「出場停止中の選手(カルロス・サンチェス)を試合に出していた」との訴えがCONMEBOLに寄せられたことで、CONMEBOLが事実確認と懲戒処分の是非について動き出した。
インデペンディエンテが主張する、カルロス・サンチェスの出場停止処分とは、2015年に所属していたアルゼンチンの名門リーベル・プレートまでさかのぼる。同年の11月26日に行われたウラカンとの準決勝 2nd.Leg でレッドカードを受けたカルロス・サンチェスには、3,000ドルの罰金と3試合の出場停止処分が科された。このときの出場停止処分は、CONMEBOL主催の国際カップ戦、つまりリベルタドーレスかスダメリカーナでのみ適用されるが、同選手はその1ヶ月後にモンテレイ(メキシコ)へ移籍。メキシコはCONMEBOLと無縁であることから、カルロス・サンチェスの出場停止処分はサントスに加入するまで残ったままになっている。…というのが、インデペンディエンテの主張だ。

▲ 21日の試合には出場してはいけなかったことが発覚したウルグアイ代表MFカルロス・サンチェス。3年前に所属していたリーベル・プレート時代に科されていた出場停止処分が消化しきれていなかったという
これに関しては、CONMEBOLの対応も後手を踏んでしまった印象だ。1st.Leg から 2nd.Leg まで一週間空いていたにも関わらず、双方の主張に嘘がなく事態を複雑にしていたことから、1st.Leg の結果を 0-0 から 3-0 とする声明を発表したのは、なんと 2nd.Leg の試合開始の9時間前。28日の午前10時49分と遅きに失した。
この声明を受けて、言わずもがなサントスは激怒。「下されたペナルティには法的根拠はない」として、弁護士を擁立して控訴する意向を表明した。弁護団には、2013年のブラジレイロンでフルミネンセの逆転残留のために手腕を振るったマリオ・ビッテンコール氏も招聘したことを明らかにしている。
※ 関連記事
・規則違反発覚でポルトゥゲーザ降格 フルミネンセが逆転残留へ (2013年12月19日)
その後に行われた試合で、3点差の逆転が最低条件にされたサントスは無得点で敗北。終盤には怒れるサンチスタ(サントスのサポーター)の一部がスタンドから発煙筒や爆竹を投げ込むなど暴徒化し、大荒れになった。
いわば、カルロス・サンチェスがリーベル・プレート時代に残してしまった負の遺産が、サントスに悪夢をもたらしたも同然。だが当然ながらサントスの怒りの矛先はCONMEBOLに向けられていて、この問題が収束まで日を要するであろうことは想像に難くない。
2018.08.28
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