Campeonato Brasileiro Serie B 2021ブラジル全国選手権 2部 2021

11月5〜7日に各地で行われたカンピオナート・ブラジレイロのセリエB（2部）第34節。リオ・デ・ジャネイロ州の州都リオ・デ・ジャネイロで行われたクラシコ「バスコ・ダ・ガマ×ボタフォゴ」は、マルコ・アントニオの2ゴールなどでボタフォゴが快勝した。

勝って昇格に望みをつなぎたいバスコは、9分に元アルゼンチン代表FWヘルマン・カノがペナルティアークで右足を振り抜いたが、枠を捉えたボールはキーパーに両手で弾かれる。対するボタフォゴは11分、カウンターで右サイドを上がった24歳の日系人ルイス・オーヤマがサイドライン際から前方へスルーパスを出すと、フリーで駆け上がったウェルレイがグラウンダーのクロスを供給。ペナルティエリアに達したマルコ・アントニオが左足でゴールに流し込んで先制した。

19分にはスルーパスで左サイドを上がったジエゴ・ゴンサウベスがグラウンダーのクロスを上げると、ゴールエリアで滑り込んだハファエウ・ナバーロが伸ばした右足にボールを当ててゴールに押し込み、2-0 とリードを広げた。対照的にバスコは25分、スライディングでペドロ・カストロを削ったレオ・マトスに2枚目のイエローカードが出され、数的不利に陥った。するとこの判定に激怒したバスカイーノ（バスコのサポーター）がスタンドの一角で暴れ始めた。

さらにボタフォゴの猛攻は続き、35分にはルイス・オーヤマが自陣から出したスルーパスが最終ラインの裏へ通ると、マルコ・アントニオが抜け出して独走。ペナルティアークに達したマルコ・アントニオは前に出てきたキーパーをドリブルで振り切り、左足でゴールに流し込んで 3-0 とした。スタンドでは怒るバスカイーノが散見され、なかにはフェンスをよじ登ってピッチに侵入しようとする者まで現れ、武装警官隊とにらみ合う一幕も。物々しい空気が漂った。

不穏な空気は前半の終了後にも続き、ハーフタイムにはロッカールームへ引き上げるバスコの選手たちに向けてスタンドから「恥知らずのチーム」と連呼するかけ声まで浴びせる始末。一部のバスカイーノは暴れ、どこからともなくプラスチックのカップがピッチへと投げ込まれていく。そして冷静に観戦していたサポーターも多くが帰路に着くなど、そこに「応援」の気概は感じられなかった。

後半、ボタフォゴは53分にコーナーキックをペドロ・カストロが頭で折り返すと、キーパーの頭上で弧を描いたボールをジエゴ・ゴンサウベスがヘディングで無人のゴールに押し込み 4-0 とした。

試合終了後、スタンドからは再び「恥知らずのチーム」と連呼するかけ声がこだまする。その一方で、唯一気を吐いた40歳の元U-23ブラジル代表MFネネに対しては、称賛の拍手も贈られた。

この結果、快勝したボタフォゴは、カズの古巣コリチーバを抜いて首位に浮上。早ければ次節にもセリエA（1部）昇格が決まる。一方、完敗のバスコは4位ゴイアスとの勝ち点差が8に開いて、4試合を残すのみとなった。数字上では4位浮上の可能性はあるが、1年でのセリエA復帰は叶わぬ夢となりつつある。

【順位表】カンピオナート・ブラジレイロ　セリエB　2021　（第34節終了現在）

カンピオナート・ブラジレイロ　セリエB　2021　第34節　（2021/11/07）
バスコ・ダ・ガマ	0-4	ボタフォゴ
ルコン	GK	ジエゴ・ロウレイロ
レオ・マトス ヒカルド レアンドロ・カスタン ゼッカ	DF	ダニエウ・ボルジス （ホナウジ） ジョエル・カルリ カヌ カルリーニョス
ブルーノ・ゴメス マルキーニョス・ガブリエウ MT （アンドレイ） モラート （ワウベル） ネネ	MF	ペドロ・カストロ ルイス・オーヤマ ワルレイ （ハファエウ） マルコ・アントニオ （マテウス・フリッゾ） ジエゴ・ゴンサウベス （ルイス・エンリーキ）
ヘルマン・カノ （ガブリエウ・ペキ）	FW	ハファエウ・ナバーロ （ハファエウ・モウラ）
	ゴール	11　マルコ・アントニオ 19　ハファエウ・ナバーロ 35　マルコ・アントニオ 53　ジエゴ・ゴンサウベス
レオ・マトス ヒカルド アンドレイ	イエロー カード	ジョエル・カルリ
レオ・マトス	レッド カード
フェルナンド・ジニス	監督	エンデルソン・モレイラ
主審：　ルイス・フラービオ・ジ・オリベイラ 会場：　エスタジオ・サン・ジャヌアーリオ　（リオ・デ・ジャネイロ）