
- CONMEBOL Libertadores 2023コンメボル・リベルタドーレス 2023

強盗傷害事件に大乱闘、奇襲計画、鎮圧… CONMEBOLが計画した「無観客試合」はかろうじて否決に
リベルタドーレスの決勝を前にCONMEBOLが検討した安全対策

▲ 4日の決勝に向けてマラカナンのゲートにはボカとフルミネンセのエンブレムが掲げられるなど、着々と準備は進んでいる(写真提供:EFE)
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だが、10月30日にリオ・デ・ジャネイロの観光地コパカバーナでセネイセの夫婦がフルミネンセのサポーターに椅子で殴られ携帯電話などを奪われる強盗傷害事件が発生すると、両サポーターの間には険悪なムードが漂い、サポーター同士の路上乱闘なども散見されるようになって、双方のサポーターに逮捕者まで出た。さらに2日の夜から3日の朝にかけては、コパカバーナのビーチに集結しているセネイセの群衆に向けて、一部暴徒化したフルミネンセのサポーター集団が待ち伏せ攻撃を準備していることが発覚したため、地元当局が催涙ガス弾を仕込んだライフルを手にセネイセの群衆をビーチから追い出すなどの騒動にも発展した。事実、コパカバーナでは来場者向けにファンゾーンが設けられて運営されていたが、このファンゾーンも決勝戦当日を待たずに中止・閉鎖する事態に追い込まれた。

▲ 2日にコパカバーナのビーチで発生した両チームのサポーターによる大乱闘(写真提供:Reprodução)
リベルタドーレスでは過去にも、計画的な運営が妨げられたことがある。直近では2018年にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催予定だった決勝 2nd.Leg 「リーベル・プレート vs ボカ・ジュニオルス」が記憶に新しく、エル・モヌメンタルへ向かうボカの選手一行を乗せたリムジンバスにリーベルプラテンセからの投石があり、パブロ・ペレスらが負傷。その影響で、その日に開催できなくなった試合はアルゼンチンでの開催を断念してスペインの首都マドリーで開催された5年前を覚えている人は少なくないだろう。
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しかし、無観客試合に対しては反対の声も強くあったという。ブラジルのスポーツサイト「Globoesporte」は、『無観客試合での決勝戦開催は、関係者に多大な損害を与え、リベルタドーレスのイメージも傷つけるだろう』と警鐘を鳴らした。
CONMEBOLやCBFらとの緊急会合の席では、ボカのフロントが「リオ・デ・ジャネイロ入りしたサポーターの安全確保が足りていない」と運営サイドや現地当局への不満を口にしたが、最終的に無観客試合の実施は可決しなかった。

▲ CONMEBOLの整備もあり、マラカナンのピッチやスタンドなどは計画通りに整備された(3日に撮影)(写真提供:Globoesporte)
「我々が最も情熱を注ぐサッカーの価値は、平和で調和のとれた行動を促すものでなければならない。したがって、我々は決勝戦に関連して発生する暴力行為や人種差別行為を拒否する。」
2日にCONMEBOLが出した公式声明は、いがみ合う両サポーターの耳には届いているのか。4日の午後5時(日本時間では翌5日の午前5時)に始まる大一番の前に、大きな騒乱が生じないことを祈るばかりだ。
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2023.11.03
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