- Campeonato Brasileiro Serie A 2023ブラジル全国選手権 1部 2023
「ブラジルサッカー界は教育不足」 コリンチャンス&フラメンゴの元監督が述べた真意とは
2022〜2023年にブラジルのクラブチームで監督を務めたポルトガル人監督のビットル・ペレイラ氏が述べたブラジルサッカー界への不満
▲ ブラジルでも屈指の人気クラブとして有名なコリンチャンスとフラメンゴの両方で指揮を執ったポルトガル人監督のビットル・ペレイラ氏(写真提供:AGIF)
2022年にコリンチャンスを指揮したビットル・ペレイラ氏はシーズン終了直後に「ポルトガルでの家族の病気」を理由に辞任したが、翌2023年の年明けにはフラメンゴの指揮官になった。しかし州選手権の決勝で宿敵フルミネンセに 2nd.Leg で逆転負けを喫してタイトルを逃した責任を負われて解任された。その後、同氏は母国に戻っている。
同氏はポルトでのサッカー討論イベントを終えた直後に行われたインタビューで、ブラジルサッカー界にはびこる問題点を指摘して、不満を述べた。
「ブラジルで監督業をして、私が最も気に入らなかったのは“教育がなかった”ことだ。かなりの教育不足が見てとれた。具体的にどうというより、一般教養の欠如だ」
同氏が問題視している一般教養の欠如は、サッカーだけに留まらずブラジルでのスポーツ界全体に存在しているという。
「ブラジル人の国民性もあるのかもしれないが、スポーツ選手が“感情的”になる場面が散見される。感情に振り回されることが多く、そこへの対処法や準備ができていないように映った。もっとも、ブラジルではそれが普通なのかもしれないし、文化的な側面もあろう。ただポルトガル人の私にとっては、働きづらい印象は否めなかった」
荒っぽい言葉を並べてブラジルのスポーツ界を断罪した同氏だが、コリンチャンスとフラメンゴを率いた経験について悪く言わないように注意していた模様。
「ブラジルで監督をしたことを後悔してはいない。何事もやってみなければわからないところはあるので」
2002年に監督業を始めてから実務経験が20年になり、過去にはポルトやオリンピアコス、フェネルバフチェなど欧州の名門も指揮したベテラン監督の同氏だが、そんな彼でもブラジルのクラブチームを率いることへのプレッシャーは相当だったと分析している。
「ブラジルではどんなに良い勝利を収めたとしても、次の試合が残念だったらサポーターからの圧力が尋常ではない。選手だけでなくサポーターも感情で動くブラジルでは、“すぐに結果を出して評価をされるか、さっさと解任されるか”の両極端になってしまう」
◆ ビットル・ペレイラ
- 本名:
- ビットル・マヌエル・デ・オリベイラ・ロペス・ペレイラ
- 生年月日:
- 1968年7月26日生まれ()
- 出身:
- ポルトガル(エスピーニョ)
- 身長:
- 176cm
- ポジション:
- ボランチ(現役時代)
1981年に13歳で地元のスポルティング・デ・エスピーニョの下部組織に入り、翌1982年にはアバンカの下部組織に移籍。1986年にアバンカでトップチームに昇格して以降は、ポルトガル国内のクラブを渡り歩いて1996年に28歳で引退した。2002年にパドロエンセのU-15監督に就任すると、その後はユース、トップチームを問わず監督を歴任。2013年からはアル=アハリ(サウジアラビア)やオリンピアコス(ギリシャ)、フェネルバフチェ(トルコ)などでも監督を歴任した。2022年からはコリンチャンス、フラメンゴでも指揮を執ったが、2023年4月にフラメンゴを解任されて母国ポルトガルに戻っている。
2023.09.13
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