Campeonato Brasileiro Serie Aブラジル全国選手権 1部

ブラジル全国選手権の開幕を直前に控えた最中、渦中のネイマールに関する話題が大きく動き出した。ネイマールの所属先であるサントスが、同選手の移籍（放出）について大筋で合意したと現地メディアがこぞって報じている。（クラブ側による公式の移籍発表はまだ出されていない）

ネイマールに関しては近日中に水面下で様々な動きがあった。ネイマール本人は移籍について「何も知らない」と口を閉ざしていたが、数日前にはバルセロナの関係者とネイマールの父親が対面していたことが報じられていて、現地では『移籍秒読みか？』という憶測が飛び交っていた。

現地時間で5月24日にサントスがネイマールの移籍について大筋で合意した旨を発表したとのことで、移籍先はスペインの２強（レアル・マドリー、バルセロナ）と報じられている。だが具体的な報道のない前者に対して、後者に関してはクラブの関係者がすでにネイマールの父親と接触している情報が明るみに出ており、ネイマールの移籍先はバルセロナという見方が大勢を占めている。

移籍金や契約金などについてもいろいろ報じられているが、詳細については交渉が進んでいないようだ。ネイマールが口を開いた。

「今は何とも言えない。その理由は、何も決まっていないからだ。特段急がなきゃいけないことでもないし、今後家族と話し合った上で決めるつもり。5分で決まるのか、30分かかるのか、3日かかるのかはわからないけどね」

ともにネイマール獲得に意欲を見せているとされるレアル・マドリーとバルセロナだが、移籍金ならびに年俸に関しては前者の提示額のほうが高いと報じられている。しかしその他の待遇面ではバルセロナのほうが厚遇とのことで、サントス側の見解としては「両者に大差はない」という。これについてもネイマールはコメントを残している。

「自分の人生において最も幸福な瞬間だと思っている。レアル・マドリーとバルセロナという世界屈指のビッグクラブがともに俺を評価してくれていることを誇りに思うし、俺個人はたぶんどっちに行っても後悔はしないと確信している。今こんなことを言えるのは、移籍先が決まっていないからだけどね。決まっていたらこんなことは言わないから」

ネイマールの移籍先は、家族会議によって決まるとの憶測がもっぱらの見方だ。
一方で、サントスのオジーリオ・ホドリゲス副会長は取材に応じた際、ネイマールの興味が元来バルセロナにあることを示した上で「レアル・マドリーの提示した条件もあながち悪くはないと捉えているようだ」との認識を示している。
また、バルセロナがサントスに対して移籍金の一部を支払ったとの報道に関して、サントス側は「我々はまだ一銭も受け取っていない」と断言。バルセロナ側もこれについては同様に否定している。

来年のワールドカップ終了後にネイマールを放出したとすれば旨味のないサントスにとって、今回はスペインのビッグクラブから莫大な違約金を得られる最後のチャンスだ。果たして、ネイマールはこの冬（北半球では夏）に欧州移籍を果たすのか。その去就に注目が集まっている。

なお twitter では、2005年にサントスを離れてレアル・マドリーへ移籍したホビーニョを前例にして「ネイマールがレアル・マドリーに移籍した場合、ホビーニョの二の舞にならないか」と危惧する声も一部で挙がっている。
ちなみにネイマールの欧州移籍が実現した場合、サントスはホビーニョの復帰についても真剣に検討しているという報道まであるが、現地点でこちらの真相は定かでない。