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前年三冠のフラメンゴの対応は特例 ブラジルの名門を悩ませる給与工面の深刻な裏事情
新型コロナウイルスの感染拡大によって甚大な影響を受けているブラジルサッカー界

▲ 3月20日に練習場で汗を流すフラメンゴのイレブン
ブラジルの労働法によれは、「不可抗力または正当に証明された損失の場合」には、従業員の賃金を最大25%削減できるという規定がある。しかし、フラメンゴは前述の規定を適用せず、平常時と同様に選手の給与を削減しないと決定した。
フラメンゴは、2019年に州選手権、ブラジレイロン、リベルタドーレスの三冠を達成していることもあり、賞金獲得による潤沢な資金があることから前述のような決定ができたとみられる。
また、選手の写真にかかる肖像権については30日間の中断期間を過ぎても公式戦再開に至らなかった場合にのみ、ブラジル国内のクラブチームでは給与の50%削減(半減)が定義されているが、フラメンゴはそれも適用せず選手に満額の給料を支払う方向で調整中であることも明示した。

▲ PCR検査で新型コロナウイルスの陰性と判明したフラメンゴのジョルジ・ジェズス監督(右)
一方、グレミオのホミウド・ボウザン・ジュニオール会長は、「クラブへの影響を減らすことが第一で、今後3ヶ月間に事態が収束しなかった場合には、次の決定を下すことになるかもしれない」と牽制した。
アトレチコ・ミネイロのセルジオ・セッチ・カマラ会長は、「8月になれば収束するかもしれないとする保健省の見解を受けて、そんな時期まで国内リーグが中断する事態になれば、ブラジル国内のリーグ運営は大幅な変更を余儀なくされる。公式戦が再開されない間は選手に支払う給料がなく、この期間をどうしのげというのか」と苦言を呈している。
他にも、地方の弱小クラブはブラジレイロンの給料の工面に苦慮していて、各クラブはそれぞれにCBF(ブラジルサッカー連盟)と交渉中。公式戦を観客ありきで通常通り開催できないことは各クラブにとって死活問題であり、経済破綻を起こすクラブチームが今後続出する懸念も残されている。
万が一、(5月に開幕予定だった)ブラジレイロンの運営がままならなくなったら、多くのクラブチームは資金繰りでお手上げともなりかねない。
▼ 中南米各国の対応まとめ (※3月21日現在)
国 | 対応 | 備考 |
---|---|---|
アルゼンチン | 国内カップ戦を中断・延期 | 中断期間は3月31日まで |
ボリビア | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
ブラジル (CBF主催) |
国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | 全国規模のブラジレイロンは6月開幕の案も浮上 |
チリ | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
コロンビア | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | |
エクアドル | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
パラグアイ | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
ペルー | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | |
ウルグアイ | 国内リーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
ベネズエラ | すべてのカテゴリーのリーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
メキシコ | 国内リーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
国 | 対応 | 備考 |
---|---|---|
リベルタドーレス | 中断・延期 | 中断期間は5月5日まで |
スダメリカーナ | ||
コパ・アメリカ | 1年延期 | 開催時期は2021年6月11日〜7月11日 |
ワールドカップ南米予選 | 開幕延期 | 第1節〜第2節をリスケ |
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2020.03.21
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