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“フチボウ禁止”によるヒステリーを危惧する大統領 公式戦の再開に向けてCBFと会談へ
新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるブラジルのジャイル・ボウソナーロ大統領の見解
▲ 16日に大統領官邸である首都ブラジリアのアウボナーラ宮殿から出かけるジャイル・ボウソナーロ大統領
同大統領は16日、パンデミックの影響により今年のGDP(国内総生産)+2%の目標は達成困難との見解を示し、パウロ・ゲージス経済相と会談する意向を示した。さらにラジオ・バンデイランテスのインタビューで同大統領は、今回の大混乱は権力闘争に利用される恐れをにじませて、最悪の場合政権交代に発展する可能性もあると危惧した。
「私が懸念していることは、経済の悪化によりブラジルの国力も低下することだ。経済の低迷は我が政権を破綻させる恐れがある。パンデミックが権力闘争に利用されるかもしれない」
同大統領の心配事は、政治だけでなくスポーツも。ブラジルではすでにサッカー、バスケットボール、バレーボールの各連盟がそれぞれ公式戦の中断・延期を決定しているほか、各州のリーグ戦もいち早く中断・延期を発表したミナス・ジェライス州を筆頭に、サンパウロ州、リオ・グランジ・ド・スウ州、そしてリオ・デ・ジャネイロ州といわゆる人口密度の高い大都市を有する州でも続々と中断・延期を決定している。
そんなスポーツ界の“自粛”傾向を、同大統領は快く思っていないと表明した。政治家としてではなく、一個人としてだ。
「フチボウ(サッカー)の試合が押さえ込まれれば、ヒステリーに陥る国民は増える。個人的な意見だが、今の状況は好ましくない」
「明日、CBF(ブラジルサッカー連盟)の会長らと会う予定だ。試合の中断・延期は必ずしもコロナウイルスの感染拡大を封じ込められるものではないのだから、単に試合をしないことを是とするわけにはいかない。スタジアムのキャパシティーを考慮した上で、一部のチケットを販売してお客さんのいる状況で試合ができないか、交渉したい」
同大統領はパンデミックにも関わらず、米国で何千人もの人を集めたイベントに参加した。同大統領は陰性だったが、同行者の数人からは陽性反応が出ている。
▼ 中南米各国の対応まとめ (※3月17日現在)
国 | 対応 | 備考 |
---|---|---|
アルゼンチン | 国内カップ戦を中断・延期 | 中断期間は3月31日まで |
ボリビア | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
ブラジル (CBF主催) |
国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | 全国規模のブラジレイロンは4月開幕の案も浮上 |
ブラジル (各州選手権) |
▼中断を決めた州 サンパウロ州 リオ・デ・ジャネイロ州 ミナス・ジェライス州 リオ・グランジ・ド・スウ州 ペルナンブーコ州 |
主に北部の州を中心に無観客などの対応を執りつつ開催 |
チリ | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
コロンビア | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | |
エクアドル | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
パラグアイ | 国内リーグを中断・延期 | 中断期間は約15日間 |
ペルー | 国内のリーグ戦とカップ戦を中断・延期 | |
ウルグアイ | 国内リーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
ベネズエラ | すべてのカテゴリーのリーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
メキシコ | 国内リーグを中断・延期 | パンデミックの収束まで無期限 |
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2020.03.15
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