Liga de fútbol Profesional de Bolivianoボリビア1部リーグ

ボリビアサッカー界に前例のない事態が発生 国内有数の人気クラブがシーズン途中に今季終了か

ボリビアの名門サン・ホセ・オルーロが財政難でシーズン途中で「撤退」する意向を発表
▲ ボリビアでも有数の人気クラブであるサン・ホセ・オルーロはシーズン途中での撤退を発表したが…(写真提供:DeporteTotal)
ボリビアのトップリーグで、前例のない事態が起きている。国内有数の人気クラブが9月26日、今季の開催中に撤退する意向を発表した。

撤退を表明したのは、オルーロをホームタウンとするサン・ホセ・オルーロ。1942年創立の名門で、プロリーグ設立以降では2シーズンしか降格していない人気チームだ。ボリーバルやザ・ストロンゲストに次ぐ全国的な人気があるクラブは、なぜシーズン半ばでの「撤退」を決断したのか。(この記事での「撤退」とは、最終節までの試合を放棄して今季を終了することを指しています)

◇ ◇ 「撤退」決断までの経緯 ◇ ◇

その理由は財政難で、総額は500万ドル(日本円で約5億5千万円)を超えているという。財政難による資金繰りの悪化で、選手や監督、コーチらスタッフへの給与遅配が続いており、4月上旬には2〜3月分の給与未払いに反発した選手にストライキを起こされた。すると一連の財政健全化を怠ったペナルティとして、FBF(ボリビアサッカー連盟)の紛争解決裁判所から、勝ち点-12という重い処分が今季の開幕前に科された。

そうした事情や経緯から言わずもがなチームの士気は低く、9月17日の第19節(レアル・ポトシ戦)でスコアレスドローとなるまで、開幕から18連敗と悲惨な成績。しかも勝ち点-12のペナルティが重くのしかかり、第21節終了現在では勝ち点-11の最下位(16位)で、15位レアル・ポトシとの勝ち点差は24も開いている。その結果、サン・ホセ・オルーロは残り9試合で8勝1分以上の成績を残した上で、レアル・ポトシの9連敗を願うしかない絶望的な状況に陥っているのである。

会長が数ヵ月不在で、陣頭指揮を執れる人間がいないサン・ホセ・オルーロには、9月26日を以てオルーロの名誉裁判所から今季途中での「撤退」が指南された。今季の残り試合を戦うだけの体力も経済力もないとみなされてのもので、クラブ側はそれを受け入れたという。

◇ ◇ 他クラブに影響する勝ち点の処理 ◇ ◇

シーズン途中での撤退が発生した場合、トップリーグの運営にも大きな支障が出る。残り試合に関わる他クラブの勝ち点を、どのように処理するかだ。

検討中とされるオプションのひとつは、サン・ホセ・オルーロがここまでで消化した試合で発生した勝ち点をキャンセル扱いにすること。そうすれば、残された15クラブは不公平感なく最終節まで戦えることになる。

もうひとつのオプションは、この先サン・ホセ・オルーロ戦を残しているすべてのチームに勝ち点3を加算することだが、この場合はサン・ホセ・オルーロ戦で唯一勝ち点3を得られなかったレアル・ポトシだけが不公平になる。

いずれにせよ、「撤退」が連盟から承認されたら、その時点でサン・ホセ・オルーロの2部降格は確定となる。

◇ ◇ FBF会長からの警告 ◇ ◇

だが、この件には続きがある。サン・ホセ・オルーロの「撤退」発表から5日後の10月1日に、FBFのフェルナンド・コスタ会長がシーズン途中の撤退への反対を明言し、警告を発した。理由はテレビ局との放映権契約だ。

「重要なのは、今季がこのような不測の事態なしに全日程を終えることだ。我々にテレビ局との放映権契約があることを、サン・ホセには忘れないでほしい」

シーズン途中で消えるチームが出てきたら契約違反による放映権料の激減は避けられず、同会長はそれをどうにか阻止したい考えのようだ。その一方でサン・ホセ・オルーロには、期日までに一定額を返済しなければ資産凍結するといった金融機関からの圧力もかかっていて、一連の騒動は混迷を極めている。

果たして、サン・ホセ・オルーロはシーズン途中で「撤退」してしまうのか。そもそも「撤退」だけで一件落着となる事案なのか。

◆ サン・ホセ・オルーロ

正式名称:
クルブ・デポルティーボ・サン・ホセ
創立:
1942年3月19日(創立
会長:
不在(2021年10月4日現在)
本拠地:
ボリビア(オルーロ)
スタジアム:
エスタディオ・ヘスス・ベルムデス(オルーロ市の公営)
カテゴリー:
男子サッカー、男子ユース、女子サッカー、eスポーツ
ライバル:
ホルヘ・ウィルステルマン、ボリーバル、ザ・ストロングスト
優勝回数:
4回(国内リーグ:1955、1995、2007後期、2018後期)
国際大会:
ベスト16(リベルタドーレス1996、スダメリカーナ2010)

地元の鉱業労働者によって産声を上げたアマチュアチームが元祖。1954年のプロリーグ創設に合わせて参入し、2部に降格していたのは2000年と2001年の2年だけというボリビアでも有数の歴史的なクラブチームのひとつ。ボリビア国内では人気クラブのひとつで、地元オルーロはもちろん、全国的にファンがいる。オルーロ市が所有するエスタディオ・ヘスス・ベルムデスの標高は3,735mで、首都ラ・パスにあるエスタディオ・エルナンド・シレス(標高3,557m)よりも高い標高にあり、ボリビア国内でも3番目に高い標高のスタジアム。

2021.09.30

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