
- Press Releaseプレスリリース

美食の国に歓喜が訪れるまでの苦悩 政治腐敗に翻弄された暗黒時代をペルー人はどう乗り越えたのか
「ペルーの叫び 〜36年ぶりW杯出場の表と裏〜」が上映されるヨコハマ・フットボール映画祭のお知らせ

▲ 映画「ペルーの叫び 〜36年ぶりW杯出場の表と裏〜」は、かなっくホールで6月4日(土)の午前11時に上映予定(画像提供:ヨコハマ・フットボール映画祭)
ヨコハマ・フットボール映画祭は2011年より毎年開催している映画祭で、様々なサッカー映画を紹介することでサッカーの魅力を発信しているイベントだ。開催ごとに規模は拡大してきたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによる影響で、残念ながら2020年以降はジャパンツアー(横浜以外の都市での映画祭開催)を控えている。そのため、選りすぐりの作品を横浜で鑑賞できるヨコハマ・フットボール映画祭は、フットボールフリークにとって貴重な機会だ。
【関連リンク】ヨコハマ・フットボール映画祭 2022 の公式サイト
▼「ペルーの叫び 〜36年ぶりW杯出場の表と裏〜」予告編(YouTube)
会期中は、元選手やサッカーライター、アナウンサーやコメンテーター、タレントらによるトークショーも実施される予定となっているだけでなく、元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏も(Zoomでの遠隔出演にはなるが)登壇予定と、映画以外においても見どころがちりばめられている。

▲ 作品で複数回出演して語ってくれたボカ・ジュニオルス所属のペルー代表DFルイス・アドビンクラ(画像提供:ヨコハマ・フットボール映画祭)
【関連リンク】ペルーの叫び 〜36年ぶりW杯出場の表と裏〜 の紹介ページ
CONMEBOL(南米サッカー連盟)加盟国はわずか10カ国で、そこに強豪国のブラジルとアルゼンチンがいれば、実質的な出場枠争いは3という狭き門になる。過酷な南米予選に何度も挑み続ける各国の悲願は「狭き門の突破」だ。
本編は、美食の国としても知られるペルーを背負って戦う(もしくは戦った)有志のコメントから幕を開ける。共通しているのは、国を代表することへの誇りだ。ホームゲームでのユニフォームデザインは、アルゼンチンの名門リーベル・プレートと同じ「赤い襷」。ペルー代表を愛する国民は皆、赤い襷のレプリカユニフォームに袖を通すことで、国と代表チームへの忠誠を誓い、全力で応援するのである。

▲ 36年ぶりの出場となったワールドカップ・ロシア大会でゴールを決めたペルー代表FWパオロ・ゲレーロ(画像提供:ヨコハマ・フットボール映画祭)
しかし、ワールドカップから遠ざかっていた時代のペルーは、長く暗い日々だった。軍事政権や左翼ゲリラの台頭などで、経済危機や権力の腐敗、治安の悪化が断続し、国内の各所でテロが横行。それゆえに国民は、自分を貶める思考に苦しんでいた。そんな闇に包まれた環境だと、子どもたちが伸び伸びとサッカーをする余裕などあるはずもなく、やがてペルー代表の弱体化にもつながっていったのであった。
ペルーを染めていた暗闇は、中途半端なものではない。差別は決して少なくなく、同国における“女性の死亡率の高さ”は、なんと南米で2位という不名誉な統計まである。これは女性蔑視の結果であり、決して看過すべき問題ではない。アルゼンチンのボカ・ジュニオルスで活躍中のルイス・アドビンクラは訴える、「小さな頃からちゃんと教育すれば、女性に優しい大人に育つ」と。
絶望的な国内事情に翻弄されながらも、アルゼンチン人のリカルド・ガレカ監督に導かれたペルーは代表の暗黒時代から抜け出し、地道に結果を残していった。かつては自分を貶めてばかりだった国と国民は、その病んだマインドを払拭していく。
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▲ ペルー代表がワールドカップと縁遠かった時代、1990〜2000年代のペルー国内は政情不安の渦中にあった(画像提供:ヨコハマ・フットボール映画祭)
本編が伝えたいことは、ペルーという国と代表チームにまつわる裏と表。それに加えて、久しくワールドカップに出られなかった時期や、それ以前の歴史などを含め、激動の国ペルーで生き抜いてきた人たちの思いも満載だ。
百聞は一見にしかず。このプレスリリースでは到底伝えきれない魅力が、この映画には凝縮されている。直近40年におけるペルー代表の喜怒哀楽を知るなら、この映画を鑑賞するのがベストな選択だ。
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会期当日、横浜の「かなっくホール」でペルーのサッカー史を知るだけで、貴方の視野は今以上に広がるかもしれない。
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2022.05.15
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