
- Campeonato de Primera Nacional 2021アルゼンチン2部リーグ

アルゼンチンで警官が17歳の選手を射殺 当局と遺族側で主張が真っ向から食い違い泥沼化は必至
アルゼンチン2部のバラカス・セントラルに所属する17歳のルーカス・ゴンサーレスが車中で警官に頭を撃ち抜かれ脳死

▲ 11月18日の練習後、帰りの車中で警官に頭を撃たれて死亡した17歳のルーカス・ゴンサーレス(写真提供:TyC Sports)
警官によって射殺されたのは、プリメーラ・ナシオナル(アルゼンチン2部リーグ)に属している首都ブエノスアイレスのクラブチーム「バラカス・セントラル」の選手で、17歳のルーカス・ゴンサーレス。同い年のチームメイト4人で車に乗って練習場を後にしたあとに、事件に巻き込まれて死亡した。
バラカス・セントラルは1904年の名門で、1920〜1934年にはトップリーグにも所属したクラブ。本拠地のエスタディオ・クラウディオ・チキ・タピアは収容人数が4,400の小さなスタジアムで、ウラカンの本拠地エスタディオ・トマス・アドルフォ・ドゥコーから南に約300mしか離れていない場所にある。
ルーカス・ゴンサーレスら17歳の4人は、朝の練習を終えると車に乗って移動。その最中、9時半頃に3人の警官に制止を求められて停車。その後、ルーカス・ゴンサーレスらは車の外から銃弾を浴びたという。車中に発砲された銃弾3発のうち、2発がルーカス・ゴンサーレスの頭部に命中。ルーカスはまずパルケ・パトリシオスのペンナ病院に救急搬送され、その後フロレンシオ・バレーラの病院に移送されたが、正午頃に帰らぬ人となった。死因は、頭を撃ち抜かれたことによる脳死だった。
3人の警官が呼び止めた車には4人の若者が乗車しており、身元を明かすよう求めたが彼らは応じずに逃走。パトカーで追跡した警官らが、ペルドリエルの交差点あたりで逃走車に向けて3発発砲し、止まった車からルーカス・ゴンサーレスを含む3人を逮捕した。残りの1人はその場から逃げ切ったという。発砲した理由について、警官らは「乗車している若者が武装していた」と説明し、拳銃の使用は職務違反に該当しないと主張した。4人が乗っていた車からは銃のレプリカが見つかったそうで、それを警官側は武装と断定したようだ。
だが、故人の親族は警官側の説明を全面否定。「乗車していた4人は武装などしておらず、理由もなく銃撃された」と警察側の犯行を訴えた。サッカーの朝練を終えたばかりの17歳のグループが車中で武装などするわけがない、というのが遺族側の主張だ。

▲ 17歳のサッカー選手の射殺事件を受けて地元警察に対し怒りのデモを実施した市民ら(写真提供:TyC Sports)
一方、地元当局は本件を殺人事件として捜査すると発表し、事件に関与した警官3名を市中パトロール業務から外したと報告。しかし該当の警官3名は逮捕も起訴もされておらず、処分されていないようで、そんな当局の対応にも遺族側は強い憤りを覚えている。
6歳でラシン・クルブの下部組織に入団し、その後デフェンサ・イ・フスティシアを経てバラカス・セントラルの下部組織に移籍していたルーカス・ゴンサーレスは、トップチームデビューを夢見て毎日汗を流していた。当局の主張が真実であろうとなかろうと、17年の短い生涯を終えた命はもう戻ってこない。
2021.11.19
当サイトに掲載された文章の著作権は、すべて Goleador に帰属しています。無断での複製・転載・引用など二次利用は固く禁じています。
- ウルグアイ代表FWミゲル・メレンティエルのゴールなどで勝ったボカ 次節のスーペルクラシコへ弾みリーガ・プロフェシオナル 2025
- 17歳マスタントゥオーノのゴールなどで快勝したリーベル 次の週末はボカとのスーペルクラシコへリーガ・プロフェシオナル 2025
- 後半の立ち上がりに失点したリーベル 終了間際に追いついたがスタンドからはブーイングもリーガ・プロフェシオナル 2025
- ベルグラーノの猛攻を1点でしのいだボカ チリ代表MFカルロス・パラシオスのゴールなどで首位堅守リーガ・プロフェシオナル 2025
- ロドリーゴ・バタグリアのゴールが決勝点 接戦を制したボカはグループAで暫定首位に浮上リーガ・プロフェシオナル 2025
- 前半に2点を決めたニューウェルスが点差以上の内容でボカに勝利 ガーゴ監督は渋い表情のままリーガ・プロフェシオナル 2025
- ホームで逆転したリーベルだったが勝ちきれず むしろロサリオ・セントラルに逆転負けのピンチまでリーガ・プロフェシオナル 2025
- 上昇一途のボカが元ウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニらのゴールで破竹の6連勝 暫定首位にリーガ・プロフェシオナル 2025