CONMEBOL Libertadores 2025コンメボル・リベルタドーレス 2025

4月8〜10日に行われたリベルタドーレスのグループリーグ第2節 。チリの首都サンティアゴで行われた「コロコロ × フォルタレーザ」は、後半途中にサポーターのピッチ乱入が発生した影響で中止になった。

試合は 0-0 のまま迎えた後半、開始直前にベンチ付近でデイベルソンが「スタンドから異物が投げ込まれた」と異物を片手に副審へ報告。実はスタジアムの外では、チケットを持たないサポーターが無理矢理スタジアムに入場しようとして揉め事が勃発。そこに駆けつけた警察車両が群衆に突っ込んでしまい、フェンス越しで雪崩の下敷きになった2人が窒息死した。（その後、地元メディアによれば警察車両による高圧水泡によるフェンス倒壊が2人の死傷者を出したとの情報も出ている。）死亡した2人は18歳女性と13歳男性で、一人は現場で、もう一人は搬送先の病院で死亡が確認された。ほかにも複数の負傷者が出ていて、それぞれ救急搬送された。この事実を知ったコロコロのサポーターの一部が暴徒化し、70分頃になるとスタンドからフォルタレーザの選手めがけて鉄片が投げ込まれ、主審は一時中断を決定した。このとき、ピッチではアルトゥーロ・ビダルやマウリシオ・イスラなどチリ代表選手たちがスタンドに近づいて落ち着くように諭す一幕もあった。

エスタディオ・モヌメンタルのゴール裏ではピッチとスタンドの間がガラス板で仕切られていて観客の乱入を防ぐ対策が施されているが、中断決定の直後にはゴール裏の一角で暴徒がガラス板を破ってピッチに乱入。乱入者のなかには、木刀のような武器を所持する者もいた。これを受けてフォルタレーザの選手やスタッフらは、一目散にロッカールームへと引き揚げた。

中断から10分ほどが経つと、一部の観客が帰路に着き始めた。そしてこの大混乱を受け、地元当局は約10人のコロコロ・サポーターを逮捕。その一方で2人を轢いたとされる警官2名に対しても、当局は起訴する意向を示している。

リベルタドーレスでは試合中のアクシデントやトラブルにより中断した場合、最長で45分間様子を見る原則がある。だが中断から45分以上が経過してもCONMEBOL（南米サッカー連盟）からは明確な発表がなく、スタジアムでは「今スタンドに残っている方は全員退出してください」という緊急アナウンスが何度も轟いた。
なぜこのような対応になったのか。（憶測の域を脱しないが）背景にはCONMEBOLが強引に無観客にしたうえで、この試合を同日中に完結させたかった思惑が垣間見える。

フォルタレーザは混乱の直後における現状を発表。選手を筆頭に監督、スタッフら全員が無事であることを伝えた。そしてフォルタレーザのCEOマルセーロ・パス氏は「両チームとも、もう二度とこの試合をしたくないと思っている。そんな空気だ。安心感も、スポーツマンシップの欠片もない」と呆れ返っている様子だった。一方、コロコロの選手らは「スタンドが無観客になったとしても新たな侵入者が現れる可能性を排除できないから、今日中に試合を再開するつもりはない」と主張。現場の混乱が長時間に及んだのは、主催（CONMEBOL）が態度を明確にしなかった影響が大きい。

CONMEBOLは中断から70分以上が経って試合の中止を公式発表し、亡くなった2人への追悼を示した。なお、代替日程は現時点で未定。おそらく、コロコロには何らかの制裁が科されるものとみられる。

コンメボル・リベルタドーレス 2025 グループリーグ第2節　（2025/04/10）
コロコロ （チリ）	0-0 中止	フォルタレーザ （ブラジル）
ブライアン・コルテス	GK	ジョアン・ヒカルド
マウリシオ・イスラ アラン・サルディビア エミリアーノ・アモール セバスティアン・ベガス	DF	ベンハミン・クセビッチ  ダビ・ルイス グスターボ・マンシャ
エステバン・パベス アルトゥーロ・ビダル クラウディオ・アキーノ ルーカス・セペーダ	MF	ギジェルモ・フェルナンデス  ルーカス・サッシャ エロ・マンクーソ  エマヌエル・マルティネス  ジオゴ・バルボーザ
ハビエル・コレーア サロモン・ロドリゲス	FW	マリーニョ （モイゼス） ファン・マルティン・ルセーロ  （デイベルソン）
	ゴール
	イエロー カード	ファン・マルティン・ルセーロ
ホルヘ・アルミロン	監督	ファン・パブロ・ボイボーダ
主審：　グスターボ・テヘーラ　（ウルグアイ ） 会場：　エスタディオ・モヌメンタル　（サンティアゴ ）