クラシコでチームの危機を救ったGKカッシオ 「セレソンよりもコリンチャンス」
29歳の今もコリンチャンスへの愛を貫く守護神カッシオ
▲ 先のクラシコでアルゼンチン人MFリカルド・セントゥリオンのシュートを身を挺して止めたコリンチャンスのGKカッシオ(12番)
1987年生まれのカッシオは、18歳だった2005年にグレミオの下部組織からトップチームに昇格。しかし出場機会に恵まれずオランダへ移籍したが、オランダでもくすぶる時期が続いた。才能が認められたのは、2012年から在籍しているサンパウロの名門コリンチャンス。157試合に出場し続け、今やコリンチャンスの正守護神として絶大な信頼を得ている。195cmの長身と、長い手足が繰り出すスーパーセーブが魅力のゴレイロ(ゴールキーパー)だ。
先のサンパウロ戦でも、カッシオはスーパーセーブを披露。54分にサンパウロが得たPKをGKホジェーリオ・セニは満を持して蹴ったが、カッシオは右脚にボールを当てて結果的にゴールを死守した。カッシオは他にもピンチでゴールを死守し、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。しかし本人は自身が崇められることを嫌いながら、あくまでも偉大な先輩を立てる発言に終始した。
「ホジェーリオ・セニは、名門サンパウロのゴールマウスを長年守ってきたレジェンドだ。同じキーパーとして彼を意識しない日はないし、私にとっては長年の目標でもある。そんな彼のPKを今回止められたのは、たぶん偶然だと思う」
ホジェーリオ・セニは自身がPKを外したことを自己批判しているが、カッシオはそれをも否定する発言を残した。
「彼(ホジェーリオ・セニ)は長い間サンパウロでPKのキッカーとしての重責を担ってきた。どんなに優れた人物でも失敗することはあるからね。今回は私がラッキーだっただけで、キーパーとしてホジェーリオ・セニが偉大な存在であることに変わりはない。彼にはPKを蹴る勇気と実力がある。片や、私にはPKを蹴る勇気も実力もない。それが答えだ」
最後にブラジル代表への願望について問われると、カッシオは冷静に自己分析を行いコリンチャンスへの愛を貫く発言に終始した。
「セレソン(ブラジル代表)は私にとっての最重要課題ではない。私はコリンチャンスでの選手生活にすごく満足しているんだ。だから私はできるだけ長くコリンチャンスに居続けたいと思っている。極端な表現をすれば、セレソンよりもコリンチャンスだね」
コリンチャンスの首脳陣はGKカッシオを高く評価しており、今後もしばらくは守護神の顔ぶれが変わることはなさそうだ。
2015.03.09
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