
- Campeonato Brasileiro Serie A 2021ブラジル全国選手権 1部 2021

州選手権では16年ぶりの優勝をもたらすもブラジレイロンでは低調 クレスポ監督の挑戦は8ヵ月で終止符
サンパウロがエルナン・クレスポ監督との契約解除を決定 後任は元ブラジル代表GKホジェーリオ・セニ氏

▲ サンパウロのクラブハウスでホジェーリオ・セニ新監督(右から3人目)やコーチングスタッフらとともに集合写真を撮るエルナン・クレスポ元監督(右から4人目)(写真提供:Reprodução)
クレスポ監督はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックにより2021年1月まで開催がずれ込んだ2020年のスダメリカーナで、デフェンサ・イ・フスティシア(アルゼンチン)を率いて初優勝を遂げると、その功績を高く買ったサンパウロが同年2月に監督として招聘した。同監督は就任3ヵ月でサンパウロをカンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)優勝に導くなど、順調な船出だった。
ところが、ブラジレイロン(カンピオナート・ブラジレイロ)では開幕からなかなか勝利を挙げられず、第10節のインテルナシオナウ戦で勝つまで9試合未勝利という低調なスタートを切っていた。その後やや持ち直した時期もあったが、チームは残留争いから脱したとはいえず、13位にはつけているものの、17位バイーアとの勝ち点差はわずか4と油断すれば再び降格圏内に転落するリスクを抱えている。
就任期間中にはブラジル代表DFダニエウ・アウベスの退団や、元ブラジル代表MFエルナーニスの移籍(退団)などもあって、目標にしているリベルタドーレス出場権獲得(ブラジレイロンでの6位以内)も厳しい情勢にあった。

▲ サンパウロを退団する挨拶をしたクレスポ監督は、就任時に自らが呼び寄せたアルゼンチン代表MFエミリアーノ・リゴーニ(右)と笑顔で別れの抱擁を交わす(写真提供:São Paulo Futebol Clube)
両者の間にわだかまりがないことは、ジュリオ・カザーリス会長のコメントからもみてとれる。同会長は自身の Instagram に「とても感動的な日だった! クレスポに別れを告げるときがきた。まず我がサンパウロでしてくれたすべての努力と仕事に感謝しなければならない。カンピオナート・パウリスタでは実に16年ぶりの優勝をもたらしてくれた。壮観な人物で、サッカーが私に授けてくれた友人。エルナン、本当にありがとう!」と投稿している。
クレスポ氏がサンパウロで収めた成績は、53試合で24勝19分10敗。後任には、現役時代にフリーキックの名手としても知られた元ブラジル代表GKホジェーリオ・セニ氏で、新監督は早くも14日から指揮を執っている。
◆ エルナン・クレスポ
- 本名:
- エルナン・ホルヘ・クレスポ
- 生年月日:
- 1975年7月5日生まれ()
- 出身:
- アルゼンチン(フロリダ・エステ)
- ポジション:
- フォワード (現役時代)
1993年にリーベル・プレートの下部組織からトップチームに昇格すると、いきなり16ゴールを叩き出す活躍で脚光を浴びる。1996年にパルマ(イタリア)ヘ移籍してもレギュラーに定着して安定した活躍を披露し、パルマでの4シーズンで挙げたゴール数は80に達した。ラツィオ(イタリア)でも安定してゴールを量産すると、2002年にはインテル(イタリア)に移籍したが、1年でチェルシー(イングランド)へ移籍。2004年にはミラン(イタリア)に貸し出されると、翌2005年には古巣インテルにも貸し出され、2008年には古巣インテルに完全移籍したが成績は振るわなかった。その後ジェノア(イタリア)を経て、2012年に古巣パルマで現役引退。2014年にパルマの下部組織で監督業を始めると、モデナ(イタリア)を経て、2018年には母国アルゼンチンのバンフィエールを指揮。2020年1月25日からはデフェンサ・イ・フスティシアを率いて、スダメリカーナを優勝に導いた。2021年2月にサンパウロ(ブラジル)の監督に就任し、カンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)優勝に導いたが、同年のブラジレイロンでは成績不振を理由に契約解除となった。元アルゼンチン代表。
※ 関連記事
- クレスポ監督がCOVID-19の隔離生活から現場復帰 サンパウロは10戦目で待望の今季初勝利を収める
- クレスポ監督不在のサンパウロはまた勝てず 7試合で4分3敗と降格圏内から抜け出せず
- サンパウロが16年ぶり22度目の優勝 クレスポ監督は就任から3ヵ月でチームにタイトルをもたらす
- クレスポ氏が語る若手の有望株 「ラウターロ・マルティネスはアグエロのようになれる選手」
- デフェンサ・イ・フスティシアをスダメリカーナ優勝に導いたクレスポ監督の新天地はサンパウロ
- 点差以上の内容で快勝 クレスポ監督率いるデフェンサ・イ・フスティシアが初の国際タイトルを獲得
- リーベルの南米制覇にOBのクレスポも興奮 「長い歴史が我々を結びつけた!」
2021.10.15
当サイトに掲載された文章の著作権は、すべて Goleador に帰属しています。無断での複製・転載・引用など二次利用は固く禁じています。
- 麻雀との二刀流を続ける田島翔がブラジルと日本の架け橋に 現役を続けながらダイレクターも兼任へブラジル関連情報
- 他会場の結果は関係なし 終了間際のゴールで勝ちきったボタフォゴが29年ぶり2度目の優勝を果たすカンピオナート・ブラジレイロ 2024
- 今シーズンは苦しんだ昨年の南米王者 最終節でパウメイラスを相手に競り勝ち自力で残留決定カンピオナート・ブラジレイロ 2024
- アトレチコ・ミネイロが残留 “ルチョ”ことルイス・ゴンサーレス監督率いる名門は失意の2部降格カンピオナート・ブラジレイロ 2024
- レッドブル・ブラガンチーノの粘りで残留争いは熾烈に 降格の恐れが最も高いのは前年の南米王者か?カンピオナート・ブラジレイロ 2024
- コロンビア人選手のゴールで接戦を制したフルミネンセ それでもまだ残されているセリエB降格の危機カンピオナート・ブラジレイロ 2024
- 40歳でブラジルサッカー界での歩みを進める田島翔の自叙伝が発売 皇帝アドリアーノとのエピソードもブラジル関連情報
- キングカズに憧れてプロになった男が40歳になって叶えた夢 王国ブラジルで新たな一歩を踏み出すカンピオナート・パラナエンセ 2023 3部