Selección Nacional de Ecuadorエクアドル代表

コパ・アメリカのグループステージ第4節終了（6月25日）現在で、26歳のエクアドル代表FWアイルトン・プレシアードは得点ランキングトップタイに名を連ねている。名前の「アイルトン」とは、故アイルトン・セナ氏の大ファンだった父親によって付けられたという。

スペイン語圏のエクアドルにおいて、アイルトン（Ayrton）という名前は珍しい文字列で、幼少期は名前をいじられることもあったという。しかし、名前の由来を父から教えられていた本人は、故アイルトン・セナ氏と同じ名前であることを誇りに思っている。

親子揃って故アイルトン・セナ氏を敬愛し、時を重ねるごとにブラジルへの憧れも強くなっていったアイルトン・プレシアードは、ポルトガルのクラブチームにいた頃にポルトガル語を習得。しかも教師役となっていたのが現地のポルトガル人でなく、ブラジル人の友人であった影響からアイルトンの話すポルトガル語は、イベリア・ポルトガル語でなくブラジル・ポルトガル語のほうが発音なども近しい。そしてブラジル音楽にも造詣が深く、セルタネージョやパゴージ、サンバ、ボサノヴァなどを好み、ポータブルプレイヤーではいつもブラジル音楽を聴いているほど。

そんなアイルトンは、幼少期からアイルティーニョ（Ayrtinho）というニックネームが付けられた。スペイン語圏であれば同様の由来ならアイルティート（Ayrtito）になるが、「〜ニョ」と呼ばれるほうを好むあたりにも、ブラジルに向けたアイルトンのリスペクト（敬意）が垣間見える。

ポルトガルを離れてエクアドルに戻ったアイルトン・プレシアードは、母国での生活を経て少しずつポルトガル語を忘れていっていたが、サントス・ラグーナ（メキシコ）で同い年のドリア（元サンパウロ、ボタフォゴのセンターバック）と仲良くなったのを機に、ブラジルへの思いが加熱。現在はポルトガル代表でも、ブラジルでプレイするロベール・アルボレーダ（サンパウロ）やアラン・フランコ（アトレチコ・ミネイロ）、ファン・カサーレス（フルミネンセ）らとはスペイン語でなくポルトガル語で会話している。

ドリアとは互いの自宅を行き来するほどの親友になっているアイルトン・プレシアードは、いつかブラジレイロンでプレイすることを夢見ている。その思いは、欧州でのそれよりも強いという。