5月4〜5日に行われたサンパウロ州選手権の準決勝。モルンビーで行われたクラシコ「サンパウロ×コリンチャンス」は、互いに決定機をものにできず90分間では引き分け。PK戦の結果、コリンチャンスが決勝進出を果たした。

一進一退の攻防が繰り広げられたが、何度も相手ゴールに迫るサンパウロに対して、コリンチャンスは序盤こそ防戦を強いられる。だが後半になると、56分にエメルソンがGKホジェーリオ・セニの正面を突くシュートで反撃に転じた。サンパウロは65分にセットプレイからパウロ・ミランダがヘディングシュートを打ったが、GKカッシオが左手で失点を阻止した。

コリンチャンスは74分にウェウリントンのアゴに左手を当てたとして元浦和レッズのエメルソンにイエローカードが出されるなど、ところどころでラフプレイが目立った。試合は90分でゴールが生まれず 0-0 でPK戦に突入。決勝への切符はPK戦に委ねられることとなった。

互いに2人目までが決めて3人目を迎えたサンパウロは、ガンソのキックがクロスバーをわずかに超えてしまい劣勢に陥った。コリンチャンスは3人目のファービオ・サントスも決めて優位に立ったが、4人目のアレッサンドロが蹴ったボールは右のゴールポストを直撃して跳ね返ってしまった。これでサンパウロに流れが傾きかけたかに思われたが、カッシオが俊敏な反応で以て5人目のルイス・ファビアーノのシュートを跳ね返した。勝負の行方は、コリンチャンスの5人目アレシャンドレ・パトに託された。

主審のホイッスルが鳴り、アレシャンドレ・パトが蹴ったボールはGKホジェーリオ・セニが両手で阻む。ホジェーリオ・セニは両手を握りしめて喜んだが、主審はすかさずそのPKを無効と判定。パトがボールを蹴る前にホジェーリオ・セニが3歩ほど前に出ていたとのジャッジで、この一瞬についてはゴールライン上で戦況を見つめていたGKカッシオも即座に右手の人差し指を振ってアピールしていた。
GKホジェーリオ・セニはこの判定に不服そうであったが判定が覆ることはなく、やり直しとなったPKをアレシャンドレ・パトが今度は冷静に決めてコリンチャンスの決勝進出が決定。スタンドに駆け寄ってコリンチャーノと決勝進出の喜びを共有するパトらコリンチャンスの選手たちを尻目に、ピッチの端ではサンパウロのイレブンがパトのPKやり直しを下した主審のジャッジに激怒して猛抗議。武装警察が介入する事態となった。

この結果、勝利を収めたコリンチャンスは州選手権の優勝をかけてネイマール擁するサントスとホーム＆アウェイで争うことが決まっている。

サンパウロ州選手権　2013　準決勝　（2013/05/05）
サンパウロ	0-0 PK 3-4	コリンチャンス
ホジェーリオ・セニ	GK	カッシオ
パウロ・ミランダ エジソン・シウバ ハファエウ・トロイ カルレート	DF	アレッサンドロ ジウ パウロ・アンドレ ファービオ・サントス
ウェウリントン デニウソン ジャジソン ガンソ	MF	ハウフィ パウリーニョ ダニーロ
オズバウド （ドウグラス） ルイス・ファビアーノ	FW	ホマリーニョ エメルソン （ドウグラス） パオロ・ゲレーロ （アレシャンドレ・パト）
	ゴール
ホジェーリオ・セニ　○ ハファエウ・トロイ　○ ガンソ　× ジャジソン　○ ルイス・ファビアーノ　×	PK	○　ドウグラス ○　ホマリーニョ ○　ファービオ・サントス ×　アレッサンドロ ○　アレシャンドレ・パト
ハファエウ・トロイ	イエロー カード	アレッサンドロ ホマリーニョ エメルソン
ネイ・フランコ	監督	チッチ
主審：　アントニオ・ホジェーリオ・バチスタ・ド・プラード 会場：　エスタジオ・ド・モルンビー　（サンパウロ）