- Copa Sudamericana 2016コパ・スダメリカーナ 2016
悲運の墜落事故で右足を失っても前向きな元守護神 苦難を乗り越えて“生き方”を悟る
2016年のコパ・スダメリカーナで決勝直前に起こった旅客機墜落事故により障害者となってしまった元サッカー選手の近況と未来
▲ 右足の膝から下に義足を付けてリハビリを続けている元シャペコエンセのGKフォウマン氏
フォウマン氏が巻き込まれた旅客機墜落事故とは、2016年11月28日の午後10時台にコロンビア国内で発生した「ラミア航空2933便墜落事故」。着陸予定の空港との間に起きた連携不足により、燃料を使いきった当該の旅客機はコロンビア国内の山岳地帯に墜落し、搭乗していたシャペコエンセの選手やスタッフらの多くが命を落とした惨事だ。この事故では、かつてヴィッセル神戸を指揮したカイオ・ジュニオール監督を初め、元セレッソ大阪&元ジェフ千葉のケンペス、元川崎のアルトゥール・マイアなど複数の元Jリーガーも絶命した。
事故後、病院のベッドで意識を回復したフォウマン氏は、自身の身に起こったことを自覚して深く傷ついたことを言葉にしている。
「目が覚めて右足の膝から下がないことをすぐにわかった。切断しないと命に関わることだったのは理屈でわかっていても、サッカー選手として大切な足を失うことはとても悔しいことだった。その後チームメイトが大勢亡くなったことを知らされて非常に感傷的になり、入院先のコロンビアではずっと泣いていたよ。でもその後、ブラジルに帰国して義足を付けてもらったとき、死なずに済んだ私は今を強く生きていかなければならないと思うようになったんだ」
▲ フォウマン氏(右)はサンパウロ市内のリハビリセンターで過酷なリハビリを続けているが、担当医は「順調」と太鼓判を押している
右足に義足を付けて暮らすことになった同氏は現在、サンパウロ市内のリハビリセンターで過酷なリハビリを続けている。上半身が無事な同氏は、病室のベッドでは趣味のギターを弾くことで気を紛らわせているという。ただ、人生を狂わされる惨事に見舞われても、同氏はスポーツやサッカーを恨む気持ちは皆無だと断言した。
「私はスポーツが好きだし、以前よりも運動について深く理解できるようになった。“元プロスポーツ選手”という視点で自分自身を見ていないんだ」
▲ シッティングバレーボールの練習に興じるフォウマン氏(右)
「あの事故で私は、人間の認識している限界を各人が頭の中で勝手に決めていることを学べた。重要なのは、自分の可能性を自分でつぶさないことなんだ。もしもあなたが優秀な頭脳の持ち主であれば、あらゆることをポジティブに考えて、今よりもっといろいろなことに挑戦できるよ」
2017.03.03
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