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サッカー元日本代表DF槙野氏がトークショーに出演 五輪銀メダリストの安楽宙斗とスポーツ愛を語る

東京・品川のインターシティにて開催された「みんなの品川スポーツFES. 2025」でサッカー元日本代表DF槙野智章氏らに囲み取材
▲ 囲み取材の直後に写真撮影に応じた品川CC・槙野智章監督(右)とパリ五輪銀メダリストの安楽宙斗(左)(写真撮影:Toshihiro Nishino)
5月31日、東京・品川のインターシティにて「みんなの品川スポーツFES. 2025」が開催された。当初は屋外の品川セントラルガーデンで開催予定だったが、悪天候のため隣接する品川インターシティの地下1階に場所を移し、屋内での開催となった。会場ではボルダリング体験やマッサージ体験などが催されて賑わったが、その一角に設けられたスペース(イベントプラザ)にて行われた、サッカー元日本代表DF槙野智章氏によるトークセッションも来場者の注目を集めた。

勝野みなみさんの司会進行によるこのトークセッションには、途中からスポーツクライミングのパリ五輪銀メダリストでもある安楽宙斗選手が登壇。異なる競技でそれぞれトップに上り詰めたアスリートによる対談を、その場にいた皆が楽しんだ。

サッカー槙野智章氏とスポクラ安楽宙斗がトークショー みんなの品川スポーツFES.2025(スポニチアネックス)

トークセッションの終了後、囲み取材に応じてくれた槙野氏と安楽選手がそれぞれの現状と目標などを語ってくれた。

「子どもたちに夢や目標を与えることが、まずやらなければいけないタスク」


——トークセッションで「品川という街について大切にしてきた」とおっしゃっていましたが、改めて具体的に教えてください。

▲ トークセッションで顔見知りの観客に話しかける品川CC・槙野智章監督(右)。司会は勝野みなみさん(左)(写真撮影:Toshihiro Nishino)
槙野智章監督(以下、槙野) 僕が品川の街のことを知らなかったので、どういう街なのかを知るべく、たくさんのイベントや街の方とのふれあいをとても大事にしてきました。試合を通していろんな発信をしていくなかで、たくさんのファンやサポーターの方もついてきて、いろんな方たちとコミュニケーションを取っていくなかで「どういうふうに発信していくか」「どういう形で僕らが品川のスターになれるか」を考えてやってきましたので、まずは皆さんを笑顔にすることもそうですが、試合に勝って昇格すること。そして子どもたちに夢や目標を与えることが、まず僕たちがやらなければいけないタスクでもあったので、そういう意味では地域の方たちとのふれあい活動は積極的に行っていきたいと思っています。

——(試合の)来場者も増えたとおっしゃっていましたが、増えた要因のひとつに何があると思いますか?

槙野 選手の頑張りだと思います。社会人として働きながら目標に向かってひたむきに頑張る姿は、皆さんの胸を打つと思いますし、あとは選手(自身)の発信もあると思います。あとは、どこへ行ってもそうですが「品川CCっておもしろいよね」と思ってもらえるように。選手のキャラクターもそうですけど、やってるサッカーの質が高くて、今のJリーグのトップの選手たちもできないようなことをチャレンジしてやってますので、そうしたところに魅力を感じてたくさんの方たちも来てくれるのはありがたいことかなと思います。

——最後に今後の目標や進めていきたいことがあれば教えてください。

槙野 社会人サッカーでは異例ともいえる、昨年1,500人動員を目標にして達成しました。今年は3,000人目標を我々は目指してやっていますので、試合だったり発信などはこれからもやっていきます。社会人サッカーで3,000人動員はなかなか難しいことなんですけど、チャレンジしていければと思っています。

——(昨年の観客動員数)1,500人はすごいと思いますが、達成できる自信などはあったのでしょうか?

槙野 達成できる自信はありました。3,000人も達成できると思いますし、そのためには我々が、観に来てくれた人たちに「もう一回観たい」と思ってもらえるようなサッカーをすることと、勝つサッカーを見せられればいいなと思っています。


「達成感を共有できるところがスポーツクライミングの魅力」


——では、トークセッションにゲスト出演されました(スポーツクライミングのパリ五輪銀メダリストの)安楽選手、まず自己紹介からお願いします。

安楽宙斗選手(以下、安楽) スポーツクライミングの安楽宙斗(あんらくそらと)です。18歳です。

▲ トークセッションの締めに司会進行をする勝野みなみさん(左)と立って観衆に挨拶をする安楽宙斗選手(中央)とる品川CC・槙野智章監督(右)(写真撮影:Toshihiro Nishino)
——まず、(槙野監督とお会いするのは)初ですか?

安楽 初です。

——どうですか? イメージと…

安楽 (槙野監督の)イメージですか? イメージは本当に貫禄がすさまじくて

(一同爆笑)

安楽 オーラを感じました。

——ちなみに槙野監督の選手時代はご存知でしたか?

安楽 すみません。テレビとかあまり観ないほうだったので、(槙野監督の)現役時代も映像でたまに観たくらいですね。

——実際にお話ししてみてどうですか?

安楽 すごくハキハキしゃべれて、うらやましいなと思います(笑)

——安楽選手は自分の目標を明確にして、プレッシャーも感じず目の前の目標に向かって達成できるようにがんばっているとおっしゃっていましたが、メンタルはどこかで何か変わったのでしょうか?

安楽 元々長期的に計画してできるタイプではないので、1個1個の大会をこなして、そこで出た改善点を次の大会で取り組んだりしていくと、自然とそれが自分に合っていたというところが(自分にとっての)強化方法になりました。

——お二人とも国際大会を経験されていますが、(槙野監督以外にも)国際大会を経験している方にお話をする機会はあるのでしょうか?

安楽 はい。最近そういう機会がとても多くて、いろいろ勉強させてもらっています。

——スポーツクライミングの魅力を教えてください。

安楽 魅力は、スポーツクライミングで登っていく過程、がんばって落ちたり、何回も落ちて登れたときの達成感を得られる。その達成感を、仲間というか友だちと共有できるところが、僕は感じているスポーツクライミングの魅力だと思っています。

——プロになって感じたことは何ですか?

安楽 まず感じたことは、今まで(プロになる前)と比べて「あまり変わらないな」というところでした。

——最後に、子どもたちに向けて何か一言お願いします。

安楽 競技でどんどん若い人たちが強くなっていって、みんな熱心に取り組んでいることは雰囲気でわかるんですけど、今でも思っているのは競技でなくてもクライミングを素直に楽しめる心ですね。モチベーションがないときでも、挫折に陥ったときでもとても大事になってくると思うので、スポーツクライミングを好きで楽しんでやることを忘れないでほしいなと思いますね。


スポーツクライミング界の発展に貢献したい安楽の思い


——(安楽選手は)3戦3連勝してきて、忙しいなかでもオフを摂らずにイベントに参加したのはどういうところからですか?

安楽 スポーツクライミングは、観てる側もやってる側もすごくおもしろい競技だと思っているので。でもなかなか大会などで細かいところまで見てもらえるのは少ないので、これから体験会をいろいろやっていって少しでも窓口を増やしていけたらいいなと思っています。3連勝はしたんですが、(世間の)反応をみて「もっともっと盛り上がっていいのにな」という正直な感想があったので、もっとクライミングをいろんな人に体験してもらってハマってもらって、大会みたいなのも楽しんでもらって、クライミング界の発展に貢献したいなと思ったのがひとつですね。

——高校を卒業して初めて取材させてもらうんですけど、(トークセッションでお話されていた、大学進学かプロ転向かを)知り合いのなかでも先生方でも 50:50 と賛否が割れていたなかで、プロになって好成績で帰ってこられて「自分の進んだ道はよかったな」という心境ですか?

安楽 はい。オフシーズンに取り組んできたことが、覚悟も決まってますし、それによってトレーニングの質も上がってきたのをすごく実感してますし、何よりスポーツクライミング一点に時間を注げるようになったのが最も強くなった理由かなと思いました。


挫折や失敗をたくさん経験した槙野氏が子どもたちに伝えたいこと


——槙野さんは18歳からプロになられて引退まで活躍されてきましたが、これからプロを目指す子どもたちに向けて伝えたいことは何でしょうか?

槙野 (競技を)楽しむ姿勢ですね。間違いなく、これまでに経験したことないような失敗や挫折は必ずあると思うので。そこをどういうふうに乗り越えるか、だと思います。僕が見てきたトップアスリートは、全員失敗や挫折を乗り越えてるので。むしろそれを経験してみんな強くなってるので。そこのタイミングで自分がどういうふうに向き合っていくのか、乗り越えていくのかというところで、安楽選手が言ってたように“楽しむ姿勢”で成し遂げてほしいなと思っています。

——槙野さんにとっての挫折というのは?

槙野 挫折や失敗なんてたくさんしましたよ。試合に出られなくなったこともそうですし、海外移籍もそうですし、タイトルの懸かった試合で自分のミスで負けた試合もありますし、いろんな挫折や失敗を繰り返してきてこうやって強くなってきましたから。たくさん経験したほうがいいと思います。

——それを聞いて、安楽さん。

安楽 ありがとうございます!

(一同爆笑)

——今のところ、あまり大きな挫折はないですか?

安楽 今のところは心へし折られるような挫折はないですね。立ち直れているので。ただ、そういったことはいつかは来ると思うので。その言葉、忘れずにいようと思います。

(取材協力:スポーツニッポン、共同通信社、FMしながわ)
(記事・編集・写真:Goleador編集長・西野寿洋)

◆ 品川CC(品川カルチャークラブ)

呼称:
品川CC横浜
創設年:
2006年
所属リーグ:
神奈川県社会人サッカー1部リーグ
ホーム:
東京都品川区、港区港南
監督:
槙野智章

2006年に総合型スポーツ・文化団体として設立した「品川カルチャークラブ」。そのサッカー部門として設立された「クラブ・アトレティコ・横浜」が起源で、2011年に「品川CC」に改称された。ホームタウンは都内だが、設立当初から神奈川県社会人サッカーリーグに所属している。2024年からは槙野智章氏がトップチームの監督に就任。

2025.06.10
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