Liga Betplay Dimayor - Torneo Apertura 2021-IIコロンビア１部リーグ 2021 後期

8月3日にコロンビアの首都ボゴタで行われたコロンビア1部リーグの試合会場で、大規模な暴動が発生した。

舞台は、後期の第3節「インデペンディエンテ・サンタフェ vs アトレティコ・ナシオナル」が行われたエスタディオ・ネメシオ・カマーチョ（通称：エル・カンピン）。0-0 で迎えたハーフタイムに、両チームのサポーター同士が互いにスタンドでチャントを始めた。ここまではよくある光景だが、どちらからともなく調子に乗って対戦相手のサポーターを煽り始めると、徐々にヒートアップしたアトレティコ・ナシオナルのサポーターの一部が、高低差のある障壁をよじ登ってホームサポーターが陣取るスタンドに乱入。その数は次々に増えて、スタンドの空気は殺伐としていく。

すると、暴徒化したアトレティコ・ナシオナルのサポーターは、インデペンディエンテ・サンタフェのサポーターを含む観客に対して無差別に襲いかかった。逃げ惑う観客の一部は暴徒に狙われ、中には顔面を膝蹴りされた中年男性が客席に倒れ込んだところに数人の男が集中攻撃を見舞う。リンチを受けた男性は気絶して椅子から落ちたが、そこに一人の男が近寄って数回に渡り男性の後頭部を踏みつけた。

さらには、暴徒の一部が無抵抗な子どもにまで暴力を振るったことも判明。逆サイドのスタンドにいたインデペンディエンテ・サンタフェのサポーターが大群を成してピッチになだれ込み、アトレティコ・ナシオナルのサポーターが陣取るスタンドめがけて駆け寄ると、アウェイサポーターも同じくスタンドから下りてきてホームサポーターと対峙。アウェイサポーターの一部は広告看板を破壊するなどの暴挙に及んだ。

この様子は現地にいた観客がスマートフォンで撮影していたため、暴動の様子はすぐさまSNSで世界中に拡散された。そして“事件”現場では、10分後に警察隊が到着して暴動の沈静化に尽力。この結果、後半の開始は20分以上延びる事態となった。最低気温が10度まで下がる冬空の寒い夜に、暴行を受けて負傷した観客や、無駄に長いハーフタイムを過ごさざるをえなかった観客の胸中は察するに余りある。

コロンビアではCOVID-19（新型コロナウイルス感染症）のパンデミックによって、2020年3月8日の国内リーグを最後にサッカーの公式戦は無観客を強いられていた。この日はエル・カンピンへの観客動員を513日ぶりに再開した記念すべき日であったが、客入れ再開初日にあるまじき非常事態が発生。

この事態を受けて、インデペンディエンテ・サンタフェのエドゥアルド・メンデス会長は、「私が会長である間は、アトレティコ・ナシオナルのサポーターを全員入場禁止にする」と怒りの声明を出すなど、両チーム間に遺恨が残ることは不可避の情勢。

なお、前述で中年男性を気絶させて暴行した男3人は警察に逮捕されたが、被害者の男性は病院に運ばれるも容態については不明という。

この大規模な暴動を、現地メディアは「容認できない暴力沙汰」、「コロンビアサッカーを汚す途方もないショー」、「恥ずべき事件」と辛辣な表現で報じている。

コロンビア１部リーグ 2021 後期 第3節　（2021/08/03）
インデペンディエンテ・サンタフェ	0-1	アトレティコ・ナシオナル
レアンドロ・カステジャーノス	GK	アルダイール・キンターナ
エドウィン・エレーラ ファイネル・トリハーノ イバン・ビジャルバ ダイロン・モスケーラ	DF	ダノビス・バンゲーロ ジェイソン・ペレア エマヌエル・オリベーラ ジョナタン・マルランダ
ケルビン・オソーリオ （ネイデル・モレーノ） アレハンデル・メヒーア セバスティアン・ペドローサ （ジョアン・カバジェーロ） ジョン・ベラスケス ジョン・アリアス	MF	ハルラン・バレーラ （アレックス・カストロ） セバスティアン・ゴメス （ブライアン・ロビーラ） バルドメーロ・ペルラーサ アンドレス・アンドラーデ （ブライアン・コルドバ） ジェルソン・カンデーロ
ホルヘ・ルイス・ラモス （ロナルド・ディノリス）	FW	ジェフェルソン・ドゥケ
	ゴール	62　バルドメーロ・ペルラーサ
ジョン・ベラスケス エドウィン・エレーラ	イエロー カード	ハルラン・バレーラ ダノビス・バンゲーロ ジェイソン・ペレア アルダイール・キンターナ エマヌエル・オリベーラ ジェフェルソン・ドゥケ
アロール・リベーラ	監督	アレハンドロ・レストレーポ
主審：　カルロス・ベタンコウル 会場：　エスタディオ・ネメシオ・カマーチョ　（ボゴタ）