Primera División de Chileチリ1部リーグ

ようやく再開した途端にスタジアム内外で暴動発生 安全なリーグ再開はいつになる?

5週間ぶりに再開したチリ1部リーグが暴動により一部中断や中止に
▲ 暴徒数人がスタジアム構内に侵入する場面
チリ国内で10月に勃発したデモや暴動の影響で開催が困難になっていたチリ1部リーグが、22日に再開した。10月17日以来、実に5週間ぶりのリーグ戦開催となったが、暴動が収束を迎えていない段階での再開だけあって運営には課題山積の様相だ。

前述の暴動発生以降、ANFP(チリプロサッカー協会)は随時国内リーグの開催を試みてきたが、毎週断念せざるをえなかった。果ては、首都サンティアゴで開催予定だったはずのリベルタドーレス決勝が、ペルーの首都リマに変更される事態に。国内の動乱は、スポーツ界にも暗い影を落とした。

国内リーグの再開には長い月日を要したが、11月19日になってANFPは1部リーグと2部リーグの再開を決定。どちらも22日に再開することになり、1部リーグは第26節から再開されることになった。

▲ スタジアム周辺では暴徒が警官隊と催涙弾の応酬をする一幕も
だが、暴動が沈静化していない状況では、事はスムーズに運ばない。「コブレサル vs ウニオン・エスパニョーラ」は無事に実施できたが、「ウニオン・ラ・カレーラ vs デポルテス・イキーケ」は黒い覆面をまとった暴徒らがスタジアム構内に侵入したり、スタジアム周辺では投石や放火、暴力なども頻発したため、66分に中断する羽目になってしまった。

するとこの中断を受けて、翌23日に予定されていた「コロコロ vs コキンボ・ウニード」はコロコロのマリオ・サラス監督が記者会見を開いて、試合を行わない意向を表明した。キャプテンのエステバン・パレーデスは「暴動を無視できないし、家族や観客の安全面を考慮すれば(中止は)やむを得ない」と中止の理由を説明。そしてマウリシオ・ピニージャは「現状では開催延期が最良の判断だと思う。今週試合を行うのは危険だ」と苦慮した。他にも、日曜日に予定されていた「エベルトン vs パレスティーノ」も延期が決まっている。

リーグ再開を決定した時点では、1部リーグはクリスマスの直前に全日程を終えられるスケジュールを発表していたが、再開に踏み出した途端このような事態に陥るようでは、安全なリーグ再開など夢のまた夢である。
2019.11.22
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