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母国の優勝を称えたメノッティ氏 監督を支えたアイマール、アジャラ、サムエルのコーチ陣も称賛
元アルゼンチン代表監督で82歳のセサル・ルイス・メノッティ氏がコーチ陣を称賛

▲ 1978年のワールドカップでアルゼンチン代表を優勝に導いた名将のセサル・ルイス・メノッティ氏。現在はアルゼンチン代表のディレクターを務めている。(写真提供:TyC Sports)
TyC Sports のインタビューに応じたメノッティ氏は、まずこれまでのアルゼンチン代表を総括。
「タイトルを探し求める時期は過ぎた。これからはタイトルを獲るためのビジョンを確認し、熟考することが重要になる。過去には、可能性すらなかったタイトルもあれば、あと一歩のところで滑り落ちたタイトルもあった。アルゼンチンでは、代表チームを尊重していて、AFAのリーダーシップによってコーチには幅広い役割を与えている。そして今はチームをまとめる組織力もある」
続けて、メノッティ氏は監督やコーチとの関係性について話し、若いコーチ陣を称賛した。
「スカローニ監督だけではなく、コーチ4人にも会った。非常に心が通った関係にあり、パブロ・アイマール、ロベルト・アジャラ、ワルテル・サムエルにスカローニと、4人は皆若い世代だ。若さゆえのエネルギーがあって、仕事にも貪欲で、4人とも煙を売っていない(※)し、プロジェクトやアイデアも満ちあふれている」
メノッティ氏は、コーチ3人がスカローニ監督と協力し合うことで化学反応が起き、それがチームに還元されていると説明。アイマール、アジャラ、サムエルの存在の大きさを強調した。
そんなメノッティ氏は、代表でのメッシの役割についても言及。
「メッシはクオリティを高める分には大いに役立つが、原則としてサッカーはチームスポーツだ。いわば、タンゴやオーケストラのようなものであり、4つのバンドネオンや4つのバイオリンなどと似ている。音楽の合奏は、何日も何時間もリハーサルを重ねて重ねてひとつの曲を生成していく。それといっしょで、サッカーは優秀な選手だけでチームを編成すればいいというものではない」
重要なのはメッシだけではないと強調したメノッティ氏。それでも、メッシの才能と実績は素直に評価している。
「メッシは、優秀なキーパーと同じくらい重要だ。もしもキーパーが両手を失ったら、ゴールを守れないだろ?」
(※… 「煙を売る」とは「何も考えていない」などサボっているといった意味を指すスペイン語の慣用句「 vende humo 」 )
◆ セサル・ルイス・メノッティ
- 生年月日:
- 1938年10月22日生まれ(82歳)
- 出身:
- アルゼンチン(ロサリオ)
- 身長:
- 193cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー、フォワード (現役時代)
現役時代は地元のロサリオ・セントラルや名門ボカ・ジュニオルスなどで活躍。1970年にジュベントゥス(ブラジル)で現役を退くと、当時32歳の若さでニューウェルス・オールドボーイスの監督を務めた。1976年にアルゼンチン国内で軍事クーデターが勃発したが、亡命せず国内に留まり、アルゼンチン代表を指揮。1978年のワールドカップ優勝だけでなく、翌1979年には日本で開催されたU-20ワールドカップでも優勝に導いた。1982年のワールドカップ・スペイン大会での2次リーグ敗退を最後に代表からは離れて、FCバルセロナ(スペイン)やリーベル、ボカなどで監督を歴任。2007年にテコス(メキシコ)の監督を務めたのを最後に、現場からは退いた。現在は、AFA(アルゼンチンサッカー協会)でアルゼンチン代表のディレクターを務めている。元アルゼンチン代表監督。
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2021.07.12
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