- Torneo Grita México Clausura 2022メキシコ1部リーグ 2022 後期
『もう生きられない』『ここで死ぬんだ』 ケレタロでリンチされた被害者が語った数分間の戦慄
5日にケレタロのスタジアムで病院送りにされた21歳の青年が暴行されたときの様子や自身の将来について語る
▲ お見舞いに来た記者が撮影したジオバンニ・ダニエルさん(21歳)の右手。複数のアザは、暴漢から身を守ろうとしてできた防御創とみられる(写真提供:El Informador)
ジオバンニ・ダニエルさんはこの日、リーガMX(メキシコ1部リーグ)の後期第9節「ケレタロ×アトラス」を観戦しにエスタディオ・コレヒドーラを訪れていた。そして不幸にも後半途中の暴動に巻き込まれ、殴る蹴るの激しい暴行を受けた。
ケレタロの病院に救急搬送されたジオバンニさんは、7日に地元グアダラハラの病院に移送されて、治療が続けられた。そして9日の午後にどうにか退院に至った。
病床で地元メディアのインタビューに応じたジオバンニさんは、暴行を受けた当時の状況を生々しく語っている。
「10人以上のケレタロのインチャ(サポーター)に囲まれて、何度も殴られ蹴られた。最初は数発殴られれば去ってくれると思って反撃せず、言い返さなかったんだ。けれど、暴行が続いているときに『もう生きられない』『ここで死ぬんだ』と思った。何発目かで意識を失った。意識が戻ったときには救急車の中だった。救急隊員からは『落ち着いて。大丈夫』と励ましてもらった」
病院での診断結果は、頭部外傷、下顎負傷、右眼の炎症だった。
同氏の母親リリアーナさんは、我が子が生き残ったことを「人生の贈り物」と表現し、9日に愛息を迎えにいった。ジオバンニさんのほかに3人が、グアダラハラ市民病院で現在も治療を受けているという。
一命を取り留めたジオバンニさんは、自身の将来についても言及している。
「今は自分自身のやりたい研究に集中したい。私は経営学を勉強している。サッカーは、勉強の気晴らしだった。でも、気晴らしにならないときもあるんだなと学んだ」
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2022.03.09
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