- Copa Suruga Bankスルガ銀行チャンピオンシップ
万博公園に飛び交った大阪弁とスペイン語 南米王者がガンバに完勝して戴冠
スルガ銀行チャンピオンシップ 2015 ガンバ大阪 0-3 リーベル・プレート
▲ 8分にPKを決めたウルグアイ代表MFカルロス・サンチェス
夕方になると万博記念競技場へ向かう大阪モノレールの車内には、青と黒のユニフォームを着たガンバのサポーターはもちろん、スペイン語を話す外国人の集団も点在。そして競技場最寄りの公園東口駅を下車すると、ガンバのサポーターに混ざるようにしてリーベルプラテンセが競技場へと歩いていた。
スタジアムの外に並んだ屋台には観客による長蛇の列が散見され、暑さ対策で水分を欲する人々が自動販売機に列を作るなど混雑した様子。そして昨年のヤマザキナビスコカップのトロフィーとコパ・スダメリカーナのトロフィーとが両チームのユニフォームとともに展示されている一角もあり、訪れた人の関心を引き寄せていた。
試合開始の15分前にはリーベルのスターティングメンバーが発表された。スタンドからの歓声が大きかった選手はハビエル・サビオラで、控え選手と監督も含めて歓声の上位3人はサビオラ、MFルイス・ゴンサーレス、マルセーロ・ガジャルド監督の順だった。
▲ 表彰式で優勝トロフィーを掲げるGKマルセーロ・バロベーロ(中央)
日本人の人気も高いサビオラは、15分にペナルティエリアで細かいフェイントを交えたドリブルでスタンドの歓声と拍手を誘うなど、見せ場を作っていた。
追いかけるガンバは前半の21分に絶好のチャンスを迎えた。ガンバのロングフィードをGKバロベーロが処理しようと前に出たところ、ペナルティアークの手前で大きくバウンドしたボールは弧を描いてバロベーロの背後に落ちた。これに反応していたパトリックはペナルティエリアでマイボールにしたが、無人のゴールへシュートを打とうとした瞬間、急いで戻ったバロベーロが右手を伸ばしてボールをピッチの外へ掻き出した。バロベーロのミスとファインセーブが同時に発生した“自作自演”ともいえるシーンになったが、ガンバにとっては同点にする絶好機を不意にした格好だ。
▲ スタンドに消える直前にピッチで写真撮影に応じたハビエル・サビオラ。日本のサッカーファンにも有名なサビオラは万博でも多くの歓声を浴びていた
エンドの替わった後半、ガンバのサポーターが埋めたA席では開始前から応援歌を歌って選手を鼓舞。だが試合の主導権を握っていたのはリーベルで、61分にはカウンターで一気に相手陣内の右サイドまでボールを運ぶと、トラップで相手のマークを振り切ったゴンサーロ・マルティネスが左足でカーブをかけたシュートをファーサイドのゴールネットに突き刺した。3-0 となったことで勝負はほぼ決し、ガンバが勝つ空気は競技場から消え失せてしまった。
それでもガンバのイレブンは腐らず、南米王者からゴールを奪う意識を高く持って攻め込んだ。終盤には何度も決定機を作りスタンドの歓声を誘ったが、シュートが外れるたびに歓声は溜息に変わるばかり。昨年三冠を達成した日本の王者が、リーベルのゴールネットを揺らすことは最後までなかった。
試合が終わるとすぐにピッチで表彰が行われ、戴冠したリーベルの選手は皆で記念撮影。その後トロフィーを携帯してリーベルプラテンセが集うゴール裏へ歩み寄り、優勝の喜びを分かち合った。トロフィーは最後にサビオラの手に渡り、サビオラはメインスタンドからの歓声やシャッターに笑顔で応えながらスタンドの奥へと消えていった。
スルガ銀行チャンピオンシップ 2015 (2015/08/11) | ||
---|---|---|
ガンバ大阪 (日本) |
0-3 | リーベル・プレート (アルゼンチン) |
藤ヶ谷 陽介 | GK | マルセーロ・バロベーロ |
金 正也 (倉田 秋) 岩下 敬輔 今野 泰幸 オ・ジェソク (平尾 壮) |
DF |
ガブリエル・メルカード ジョナタン・マイダーナ ラミーロ・フネス・モリ レオネル・バンジオーニ |
遠藤 保仁 明神 智和 (藤春 廣輝) 大森 晃太郎 (二川 孝広) 井手口 陽介 |
MF |
マティアス・クラネビッテル レオナルド・ポンシオ (ゴンサーロ・マルティネス) カルロス・サンチェス (カミーロ・マジャーダ) ニコラス・ベルトーロ (タバレー・ビウーデス) |
リンス (阿部 浩之) パトリック (赤嶺 真吾) |
FW |
セバスティアン・ドリウッシ (レオナルド・ピスクリーチ) ハビエル・サビオラ (ルイス・ゴンサーレス) |
ゴール |
08 カルロス・サンチェス (PK) 31 ガブリエル・メルカード 61 ゴンサーロ・マルティネス |
|
岩下 敬輔 倉田 秋 |
イエロー カード |
|
長谷川 健太 | 監督 | マルセーロ・ガジャルド |
主審: 佐藤隆治 (日本) 会場: 万博記念競技場 (大阪府吹田市) |
2015.08.11
当サイトに掲載された文章の著作権は、すべて Goleador に帰属しています。無断での複製・転載・引用など二次利用は固く禁じています。
- 幼なじみの急逝にショックを隠せないニコラス・デ・ラ・クルス 試合前の黙祷後には故人を思い涙コンメボル・リベルタドーレス 2024
- イスキエルドの入院費用を工面したカレーリらサンパウロの選手数人は試合後に弔問でウルグアイへコパ・ド・ブラジウ 2024
- コパ・アメリカの出場権を得たコスタリカに先制されたアルゼンチン 後半に点を重ねて逆転勝ち国際親善試合
- 2点差を追いついたセレソン 終盤にPKで勝ち越しを許すも終了間際のPKで引き分けに持ち込む国際親善試合
- アメリカがメキシコを破って優勝 終了間際には反同性愛のチャントが湧いて二度中断するハプニングもCONCACAFネーションズリーグ 2023-2024
- 17歳の神童エンドリッキがウェンブリーで決勝ゴールを決める セレソンは約半年ぶりの勝利国際親善試合
- メッシ不在も順当勝ちの世界王者 終盤はエルサルバドルの堅い守備を崩しきれずも快勝国際親善試合
- ダニエル・ムニョスの鮮やかなジャンピングボレーシュート炸裂 コロンビアがスペインに競り勝つ国際親善試合
- 南米で顕著な“抜け目なさ” マラドーナはあの伝説のゴールでも“ごまかし”でないユニークな表現で一蹴DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典
- 【PR】【SambaGold】2023の受賞者はヴィニシウス・ジュニオール、タミレス、マルコス・レオナルドに決定SambaGold の受賞者発表
- “フェノーメノ”がUEFAカップで魅せた驚異のテクニック 生みの親はリヴェリーノ? セルジオ越後?DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典
- アメリカで行われる来年のコパ・アメリカ 開幕戦はアトランタ、決勝戦はマイアミに決定コパ・アメリカ 2024
- 【PR】【SambaGold】ブラジル人サッカー選手アワードの投票受付中! イチ推しの選手に投票しよう!SambaGold のご案内
- 【PR】マラドーナについて知っておくべき興味深い事実アルゼンチン代表
- キングカズに憧れてプロになった男が40歳になって叶えた夢 王国ブラジルで新たな一歩を踏み出すカンピオナート・パラナエンセ 2023 3部
- ブラジルで湧き上がったアンチェロッティ氏監督就任報道 名物実況アナは契約を巡るCBFの決定に激怒ブラジル代表
- 12年前に急逝したマツの番号は3 F・マリノスの30年を追った作品はヨコハマ・フットボール映画祭で!DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典
- 早ければ2023年にもトヨタカップが「インターコンチネンタル・スーパーカップ」として復活か?トヨタカップ復活計画