Seleção Brasileiraブラジル代表

2022年、ブラジル代表に招集されたネイマールはこのたび自身3度目のワールドカップ出場を叶える。そのネイマールが、現在の心境を述べた。

「想像以上だよ。自分の夢だった。セレソン（ブラジル代表）でプレイすること自体が私の夢だったから、ここまで試合に出させてもらえたことが夢のようなことだよ。セレソンでプレイすることは、プロとしてプレイできなかった友人のため、そして父や祖父など家族の夢でもあった」

振り返れば、2014年の自国開催でも主力を担ったネイマールだったが、コロンビア戦でスニガからの膝蹴りで背骨を骨折。準決勝の欠場を余儀なくされたネイマールを欠いたブラジル代表は、準決勝でドイツに 1-7 で大敗する「ミネイロンの惨劇」を味わうことになる。

2018年でも準々決勝でベルギーに敗れてベスト4に進めなかったブラジル代表。ネイマールは自身3度目となる今大会をどのように位置づけているのか。

「今年が最後（のワールドカップ出場）だと思ってプレイする。誰しもそうだが、明日のことはわからないから、私はどの試合でも『これが最後の試合だ』と思って戦っている。だから、次のワールドカップに出たいかと問われても、正直なところわからない。どうかな…　来年にはセレソンの監督も代わってるだろうから、新監督が私を評価してくれるかなんてわからないから」

30歳で今年が最後のワールドカップになるかもしれないとほのめかしたネイマール。身体的な衰えを自覚しているのか。

「体の衰え？　いや、そうじゃない。私（の気持ち）がどうなるかだよ。それを今は明かしたくない。（あくまで）私はこのカタール大会で全力を尽くしたいし、カタール大会に専念したい。なぜなら最高の結果にたどり着く可能性が、今のセレソンにはあるから。疑う人もいるだろうけど、今年は“違い”を見せたいと思っている」

1992年生まれで現在30歳のネイマールは、これまでにブラジル代表で121試合に出場し、75ゴールを決めてきた。圧倒的な成績だが、セレソンでの歴代ゴール数には上がいる。王様ペレだ。今大会で3点以上を決められれば、カタールで王様超えを果たせるネイマール。しかし、本人の意識はそこにない。

「ペレは教科書。ペレはフチボウ（サッカー）そのものだ。ペレはブラジルサッカー界のすべてだ。彼に対するリスペクトは、計り知れない。だからペレを超えたいなんて考えていない」

今年、ネイマールはワールドカップのトロフィーを掲げるために、どのようなプロセスを踏むのか。

「ワールドカップ優勝について？　それは言いようがない。私は自分自身について話すのが好きじゃないし。私はサッカーをするのが好きで、試合で勝つことが好きなんだ。毎日上手くなりたいと思っているし、チームメイトのゴールをアシストするのも好きだ。それがすべてだよ。その先に結果（ワールドカップ優勝）が伴えば最高だよね」

最後に、ブラジル代表における歴代最高のマエストロ（巨匠）は誰かと聞かれたネイマールは、次のように回答した。

「セレソン史上最高の選手？　それは難しい質問だね。候補者がたくさんいるから。私といっしょにプレイした選手もいるけど、いっしょにプレイしたことのない先輩方のほうがはるかに多い。だからいっしょにプレイしたことのない先輩については、映像などでの印象でしか話せないけど…　ホナウジーニョ・ガウーショかジーコのどちらかかな」