Yokohama Football Film Festivalヨコハマ・フットボール映画祭 2023

これまでに数々の名作を上映し、サッカー映画を通じてサッカー文化の普及に尽力されている「ヨコハマ・フットボール映画祭」。2023年に上映される作品でも注目度が高いのは、今年引退を発表したばかりの元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモヴィッチ氏にまつわる映画になろう。

ズラタン・イブラヒモヴィッチはユーゴスラヴィア（ボスニア・ヘルツェゴビナ）人の父と、クロアチア人の母とが移住先のスウェーデンで知り合って結婚し生まれた経緯から、同選手にスウェーデンの血は流れていない。

ベストセラー自伝を映画化した本編は、スウェーデンで過ごした幼少期とマルメFFやアヤックス（オランダ）所属時の現役時代の出来事が交互に進行するオムニバス形式で展開していく。

幼少期のズラタンは悪童として描写され、万引きや授業中のカンニング疑惑、ジュニアユースでの協調性の欠如など問題児としての側面が目立つ。（前述の事象を肯定するつもりはないが）「規格外の才能」が成熟する過程が見どころであり、“ズラタン”が一人前に成長する過程で生じる心の揺れ動きを追うと、それもまた趣深い。

のちにユヴェントスやインテル、ミランなど第一線でゴールを量産することになる稀代のストライカーが、自身の成長過程で抱えていた苦悩とは。そしてそのとき支えてくれたのは…？

2023年6月4日、ズラタン・イブラヒモヴィッチは電撃的に現役引退を発表した。そんなタイミングの今だからこそ、この作品を鑑賞する意義がより高まったと言っても過言ではない。



「I AM ZLATAN / ズラタン・イブラヒモヴィッチ」は、6月17日（土）16:30 より、JR東神奈川駅前の「かなっくホール」にて上映予定。同日行けなくても、同月21日（水）の20:00からは（横浜市の）シネマ・ジャック＆ベティにて追っかけ上映が組まれている。