
- DO YOU SPEAK FOOTBALL?世界のフットボール表現事典

サッカー界で「スコーピオン」といえばこれ! 1995年にウェンブリーでイギータが繰り出したあのクリア
サッカー本大賞2023で特別賞を受賞した「DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典」から一部紹介
▲ 『サッカー本大賞2023』で特別賞を受賞した「DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典」(写真:Toshihiro Nishino)
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vol.18【 el scorpión 】エル・スコルピオン (スコーピオン)
コロンビア
1995年9月にイギリスのウェンブリー・スタジアムで行われたイングランド対コロンビアの試合は、ほとんどのイングランドの親善試合と同じようにすぐに忘れられただろう。もし、エル・ロコ「変人」という愛称のコロンビアのゴールキーパー、レネ・イギータが、記憶に残るアクロバティックなプレーを見せなければ。[関連リンク] 【YouTube】Goalkeeper René Higuita's Incredible Scorpion Kick | From The Archive
この試合でイングランド代表デビューしたジェイミー・レドナップが蹴り飛ばしたクロスは、イギータの胸の高さにふわっと飛んで行った。するとイギータは身体を前に投げ出し、背を反らせて踵を宙でボールに打ち付けて、安全にクリアしたのである。スタジアム 全体に「うおぉぉ!」というどよめきが響きわたり、監督のブライアン・ロブソンと控えのジョン・バーンズはベンチで甲高い叫びを 上げていた。母国のコロンビアでは、このプレーはエル・スコルピオン「サソリ」と命名され、イギータが1990年イタリア・ワールドカップでカメルーンのロジェ・ミラにボールを掠われた男としてだけ思い出されることはなくなった。
イギータはこのテクニックを使った最初のキーパーだったかもしれないが、発案者はパラグアイの名選手、アルセニオ・エリーコと言われている。彼は1934年8月、インデペンディエンテの選手として、ボカ・ジュニオルス相手にこのテクニックでゴールを決めた。 このゴールは el balancín (エル・バランシン、「シーソー」) と呼ばれる。
ちなみに、イギータはバックパスを安易にクリアするだけでなく、味方にパスを出して攻撃の起点にしたほか、たまにプレッシャーをかけてきた相手選手をドリブルで交わす足元の巧さにも定評があった異色のアルケーロ(スペイン語でゴールキーパー) としても知られた。現在ではキーパーのそうしたプレイは珍しくないが、1990年前後の当時は斬新だった。当時のコロンビア代表では、カルロス・バルデラマやファウスティーノ・アスプリージャらと並び称される偉人変人として世界的な人気を博した。
(「DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典」、P.67 より抜粋、一部引用) © Eastpress
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2023.07.22
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